ロードバイクなどのスポーツ自転車は、ワイヤー式のリムブレーキが主体です。もしブレーキワイヤーに異常があれば、事故につながる可能性もありますので定期的なメンテナンスが必要です。そこで今回は、ブレーキワイヤーの交換方法を画像付きでわかりやすく解説します。
ブレーキの仕組み
仕組みを知っている人は飛ばしてください。ブレーキは、シフトレバーとブレーキキャリパーが、ブレーキワイヤーでつながっており、シフトレバーを引くとキャリパーが動いてホイールのリムを挟み込み制動力が発生する仕組みになっています。
ブレーキワイヤーにはアウターとインナーの2種類があり、固定されたアウターケーブルの穴の中をインナーワイヤーが動くので、シフトレバーを動かせば、お互いがこすれて摩耗します。
交換の目安と時期
自転車の保管方法などでも交換時期は変わってきますが、基本的に1年~2年に1回は交換したいですね。見た目的には、インナーワイヤーが錆びたり、ほつれたり、伸びてくれば交換時期となります。
異常があればシフトレバーの引きしろが重くなったり、ガクガクとスムーズに動かなくなる事もあるのですぐに交換しましょう。
必要な工具
必要な工具は「ケーブルカッター(ワイヤーカッター)」「六角レンチ」「ラジオペンチ」の3つです。「ケーブルカッター」はケーブルやワイヤーをカットする時や、ワイヤーキャップをかしめるのに使い、「六角レンチ」はキャリパーのボルトを緩めるのに使います。
シマノは主に5mmの六角レンチになります。「ラジオペンチ」はワイヤーキャップの取り外しや、ワイヤーをシフトレバーから引っ張り抜くのに使います。
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その他に、ブレーキワイヤーをキャリパーに固定する際に「インナーワイヤープライヤー」があれば作業はグッと楽に正確になります。
ワイヤーの外し方
作業①
まずはラジオペンチでインナーワイヤー先端に付いているキャップを外します。挟んでグイッと引っ張れば簡単に外れます。面倒なら先端をカットしてもいいでしょう。
作業②
次にワイヤー固定ボルトを六角レンチで緩めてキャリパーから外します。この時に固定ボルトは緩めるだけで完全に外す必要はありません。
作業③
キャリパーの上からアウターケーブルごと引っ張って抜きます。この時にアウターケーブルを交換しないならそのまま動かさないようにします。もし、アウターケーブルも交換するならばフレーム内蔵ケーブルの場合はコツがあるので、プロショップに任せた方が無難です。
作業④
ブレーキレバーを引きながらインナーワイヤーを前に押し出してやると、頭の部分が飛び出してきます。そのまま頭を引っ張ってインナーワイヤーを全て抜き取りましょう。また、新しいインナーワイヤーを差し込む位置は確認しておきます。
これでワイヤーの抜き取りは終了です。
ワイヤーの取り付け方
作業①
準備していたブレーキ用インナーワイヤーを出します。シフトワイヤーに比べて太くて頑丈にできています。
作業②
次にインナーワイヤーを通し口から差し込んでいきます。通し口はコンポーネントのグレードや年式によって位置が違うので注意しましょう。
インナーワイヤーの先端を通したら少しずつ傷つけないように差し込んでいきます。慌てずに作業しましょう。
上手くいけばアウターケーブルからインナーワイヤーが出てきます。
後は出てきたインナーワイヤーを最後まで引っ張ります。
作業③
ブレーキキャリパーのガイド(溝)の決まった位置にインナーワイヤーを通します。ガイドの位置はブレーキのモデルによって位置が違うのでしっかり確認します。位置を間違えば突然ワイヤーが外れるなど危険です。
作業④
ブレキーを手のひらで挟み込み開き具合を調整しながら、インナーワイヤーを引き、張り具合の調整もします。ちょうどよい位置が決まったらボルトを締めて固定します。固定後の微妙な調整はアジャスターのつまみを回す事で簡単にできます。
作業⑤
インナーワイヤーの長く突き出した余分な部分をカットします。ただし、指2本分くらいの長さは残しておきましょう。
インナーワイヤーの先端がほつれるのを防止するためにワイヤーキャップをかぶせてプライヤーなどで潰してかしめます。
最後にブレーキを動かしてみて制動力をしっかり確保できていれば終了です。長々と書きましたがやってみれば意外と簡単ですぐにできるはずです。
ブレーキレバーの引きしろ
インナーワイヤーの張り具合によってブレーキレバーの引きしろが変わってきます。アジャスターなどで張り具合を調整しましょう。目安としては、思いっきりレバーを握った時にハンドルとレバーの間に1~2cmくらい隙間があるようにします。