なぜロードバイクの形は進化しない?UCIルールに秘められた裏事情

なぜロードバイクの形は進化しない?UCIルールに秘められた裏事情

現在、ロードバイクのフレームを製作しているメーカーは、日本で知られていないのを含めると100くらいはあると思います。(もっとあるかも?)ただ、それだけフレームメーカーがあるのにロードバイクのフレームは基本的な形がほぼ同じです。なぜでしょうか?

最新の技術を駆使すれば、根本的に構造を変えてもっと効率的で速いフレームは作れるはずです。今回は、フレームの形を変えられない理由と、その経緯について書きます。

一昔前は特殊なフレームが多かった

1990年代は現在のように決まった形だけでなく様々な形のフレームがあり、実際にレースでも使われていました。まだまだ数は少なかったですが、各メーカー開発に着手していたと思います。

ロードバイクの特殊フレーム

そして、最新の特殊フレームを使った選手が次々と、1時間でどれだけの距離走れるかを競う「アワーレコード」の記録を更新していったのです。ちなみに1996年9月6日、ボードマンがLOTUSの特殊フレーム出した記録56.375kmは、現在でも最高記録となっています。ただ、今は特殊フレームを使った記録は全て違反対象として正式記録として認められていません。

UCIルールが作られる

ではなぜそういった特殊フレームのロードバイクが違反となってしまったのでしょうか?世界ロードレース界のルールを作っている組織「UCI(国際自転車競技連合)」が、3角形が2つできる現在のフレームの形しか認めないと決めたからです。また、厳密にいえばもっと細かい規定がたくさんあります。

UCIルールで決められたフレームの定義

UCIルールでは3角形が2つ必要

個人的にはもっと奇抜なフレームがあった方が確実に高性能だし、ロードバイクを買う方も楽しいのに!と思っていました。しかし、UCIの言い分としては、フレームの進化を認めてしまうと過度の開発競争が進み、資金が少ない小さな工房がなくなってしまうとの事。

小さいながらも真面目にフレームを手作り製作している小さな工房はヨーロッパに数多くあり、自転車界の礎となっているのでUCIも無視はできなかったようです。

ただ、そんな理由より決定的な事がありました。グレアム・オブリーというアマチュアの男が、自分で製作したという奇抜すぎる自転車でプロのアワーレコードをあっさり更新してしまったのです。その自転車がこちら・・。

グレアム・オブリーが考案したタックポジション

タックポジション

こんなのダメですよね(笑 ハンドルが短すぎて安定性が悪いですしバイクコントロールが難しいと思います。過度なフレームの進化が進むとこういった事になってしまうのです。こんな自転車ばかりになってしまうと一般ユーザーは買わないですし、スポンサーも付きません。

そこでUCIはルールとして規定を作り直し、それ以外はレースでの使用は認めない事にしたのです。しかしあきらめないグレアム・オブリーさん。今度はUCIルールに合わせた新マシンで記録更新に臨もうとします。それがこちら・・。

グレアム・オブリーが考案したスーパーマンポジション

スーパーマンポジション

手を最大限前に突き出したフォームでスーパーマンポジションと呼ばれました。確かに速そうですが、トップチューブが無く強度に疑問が残りますし、姿勢もキツそうです。こんなのでサイクリングはちょっとありえないですね(笑

これ以降、UCIも「もうグレアム・オブリーに好き勝手させない」という事で、フレームの形に対してさらに厳格で細かいルールを作りました。その流れで現在のようなフレームの形となったわけです。いや・・、フレームメーカーから疑問の声もあったようですが英断だったと思います。

その後もグレアム・オブリーさんはあきらめず、いろいろな自転車を考案しては記録更新に挑戦し続けたのだとか。結果的にグレアム・オブリーさんの記録は全て無効となっているようですが・・。ですが、こんな人は個人的に大好きです(笑

アマチュア選手のグレアム・オブリーの自作自転車

グレアム・オブリーがその後に作った自転車

上の画像はグレアム・オブリーさんがその後に作った自転車です。もう何が何やら・・。でも一回だけ乗ってみたいです(笑

趣味で楽しむ分には自由

結局、サイクリングやロードレースで使うには、現在のフレームの形が強度や空力などのバランスが良いのでしょう。それでもトライアスロンではUCIルールは適用されませんし、アマチュアレースやサイクルイベント、趣味で乗る分にはどんな自転車でもいいわけです。

CANYONのコンセプトロードバイク

CANYONのコンセプトロードバイク

なので、フレームメーカーにはもう少し面白いフレームを出してもらいたいですね。お金に余裕があれば乗ってみたいです。ただ、まれにコンセプトカーとして登場はしますが、実際に販売はされないのが実情です。

キャノンデールのコンセプトロードバイク

Cannondaleのコンセプトロードバイク

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