自転車ホイールの振れ取り手順とやり方!おすすめ振れ取り台

メンテナンス・修理・調整

最終更新日: 2017.09.13

自転車ホイールの振れ取り手順とやり方!おすすめ振れ取り台

どんな高額なホイールでも長年使っていれば、わずかに振れ(ゆがみ)がでてきます。むしろ高額なホイールほど軽量化のために耐久性を犠牲にしているので振れやすいとも言えますね。

なので、ホイールを長く使うには振れ取りなどのメンテナンスが必要です。プロショップに任せてもいいと思いますが、本格的に走る人は自分で振れ取りをできた方がいいと思います。

そこで、振れ取りの具体的な手順や、必要な道具、おすすめ振れ取り台をまとめました。

振れ取りとは?

ホイールの「振れ」とは、ホイールを空転させたときにリムがブレることです。大体1mm~3mmくらい振れていることが多いです。

要はリムの歪みなのですが、振れる方向によって「横振れ」と「縦振れ」の2種類があります。リムを前方から見て空転させたときに振れているのが「横振れ」で、リムを真横から見たときに振れているのが「縦振れ」と呼ばれます。

そして、スポークの張り具合を調整して振れをなくす作業を「振れ取り」と呼びます。リムが振れていると、乗り手のパワーを正確に路面に伝えられないので、最低でも1年に1回程度はホイールの振れをチェックして、不具合があれば修正した方がいいですね。

ロードバイクの振れの方向

必要な工具

振れ取りに必要な工具は、「振れ取り台」「ニップルレンチ(スポークレンチ)」の2つだけです。振れ取り台は、ホイールを乗せてリムの振れを精密に計測する工具です。この振れ取り台で計測してもホイールが振れなくなるまで調整を繰り返します。

ニップルレンチはリムにスポークを取り付けているニップルを回す工具です。ニップルを回すことで、スポークを強く張ったり緩めたりしてリムの歪みを調整します。また、ニップルレンチにはいろいろな形がありますが、使い方はみんな同じです。

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自転車ホイールの振れ取りに欠かせない道具「振れ取り台」「ニップル(スポークレンチ)」

振れ取りの手順

振れ取りの作業はシンプルです。今回は、基本的なラジアル組ホイールの振れ取りを想定して手順を紹介します。特殊なG3スポーク組のカンパニョーロホイールなどは、またちょっと違ってくるので注意してください。

そのホイールにあった振れ取りの手順を一応調べてから作業することをおすすめします。

また、振れ取り台がない場合はロードバイクを逆さまにしてホイールを空転させ、ブレーキシューとリムとの間隔を見ながら振れをチェックするといいですよ。ただ、ちゃんとした振れ取り台があった方が精密なので安心ではありますね。

① リムが歪んでいる部分を突き止める

まずは、リムが歪んでいる場所を正確に突き止めます。振れ取り台の尖った部分をリムに合わせて、ホイールを空転させたとき隙間に変化がないかをチェックします。もし変化があれば、歪んでいる部分を正確に特定しましょう。

ホイールの振れ取りで、リムが歪んでいる部分を突き止める

今回は右に振れていたと想定します。

ロードバイクのホイールの振れている部分を特定

② 振れている部分に一番近いスポークを張る

リムが右に歪んでいたということは、その部分に近い左に伸びているスポークの張りが緩いか、右スポークの張りが強すぎるのが原因です。

ホイールのリムが歪んで振れが出る原因

ただ、スポークが長年の使用で伸びたりゆるんだりしているケースが多いので、調整は緩んでいるスポークを張るのが基本となります。なので、緩んでいるスポークのニップルを反時計周りに回して調整していきます。

まず振れている部分に一番近い左スポークのニップルを半時計に回します。ただ、ニップルの調整は本当に微妙です。少し回しただけでスポークの張りはだいぶ変わります。なのでニップルを回すときは4分の1回転、もしくは8分の1回転程度にとどめて、少しづつ調整しましょう。

ここでは回すニップルは歪みに最も近い部分なので4分の1回転させます。

振れが大きいリム部分のスポークニップルを4分の1回す

周りのスポークも張る

次に最初に調整したスポークの両となりになる左側のスポークを張ります。周りのニップルは8分の1回転でわずかに調整するのがコツです。

周りのスポークを8分の1回転させて調整する

周りのスポークを8分の1回転させて調整する②

振れ取り台で確認

最後に振れ取り台でちゃんと調整できたかチェックします。もし、まだ右に歪んでいるようなら左スポークの張りを強くして、調整しすぎて右にずれているようなら左スポークの張りを緩めましょう。

また、より強く調整したい部分と、微妙に調整したい部分を考えながら、ニップルの回転数を4分の1と8分の1とで使い分けるといいですね。後は、これまで紹介した手順を繰り返して、リムがまっすぐになったら作業完了です。

縦振れの場合は?

縦振れの場合は、振れの範囲が±2mm以下であれば影響は少なく、そこまで気にしなくてもいいのでそのまま使います。どうしても気になるなら、外側に膨らんでいる部分の左右のスポークを締めることで調整できます。

また、ここでもスポークを緩めるのではなく、基本締める方向で調整しましょう。

ポイントまとめ

  • 振れはスポークの張りが緩んだり締まったりすることで起こるので、ニップルを回して調整する。
  • 基本的にスポークは締める方向で調整する。
  • ニップルの回転は4分の1と8分の1程度にする。

おすすめ振れ取り台

振れ取り台には数万円する本格的なものもありますが、正直一般ユーザーには不要です。なので、コスパが良くしっかりした精度を持った振れ取り台を2つ紹介します。

X-Tools – Pro Mechanic ホイール調整スタンド


どのサイズのホイールやハブでも使える、プロ仕様の上質な調整スタンドです。つくりはシンプルですが耐久性が高く、精度も高いです。ただ、販売は海外格安サイトのWiggleだけのようですね。

参考価格:¥14,500

Pro Mechanicをwiggleで購入する

MINOURA(ミノウラ) 振取台 FT-1 COMBO

MINOURA(ミノウラ) 振取台 FT-1 COMBO

安心安全の日本製メーカー「ミノウラ」の振れ取り台です。価格も1万円を切っているので手ごろではないでしょうか。ニップルがセットになっている「COMBO」と、振れ取り台のみの「FT-1」から選べます。

参考価格:¥9,800

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その他の振れ取り台

その他にも、もっと安い振れ取り台がいくつかあります。気になった人はチェックしてみてください。

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