自転車チューブの選び方とおすすめ

おすすめパーツ

最終更新日: 2024.01.13

スポーツ自転車の素材別おすすめチューブと選び方|ロードバイク

スポーツ自転車のクリンチャータイヤと一緒に装着するインナーチューブには、メーカーやモデルによって重量、耐久性、バルブ長、太さに違いがあります。そこで、目的に合ったチューブの選び方とポイント、おすすめチューブを素材ごとにご紹介します。

チューブの選び方

チューブを選ぶ時にまず気になるのは耐久性と重量ではないでしょうか。買ったらできるだけ長く使いたいですしチューブが軽い方が走りが楽になります。基本的に重いチューブは低価格でゴムが厚いので耐久性が高いく、軽いチューブは高価で耐久性が若干落ちる傾向があります。重量は最も重いチューブだと1本120g程度、最も軽いチューブだと1本40g以下になります。前後で160g軽くなるので、わかる人には体感できるほどの違いが出てきますね。

チューブを選ぶ時には耐久性と重量を決める「素材」「適応するタイヤサイズ」「バルブの規格と長さ」をチェックしましょう。

素材の違い

チューブのゴム素材は大きく分けて「ブチル」「ラテックス」「ポリウレタン(TPU)」3タイプあります。それぞれ耐久性や耐パンク性能、重量に特徴があります。

ブチルラテックスポリウレタン
価格の目安700~1500円2000円前後4000円以上
重量の目安100g前後70g前後40g前後
耐久性高い普通非常に高い
メンテナンス
①ブチルチューブ

ブチルチューブ

普通の自転車にも使われていて昔からあるポピュラーなゴム素材です。安価で手に入れやすくゴムが厚いので耐久性が安定しています。空気が抜けにくいのでロードバイクやクロスバイクであれば1週間に1回程度空気を入れれば問題ありません。重量が100g前後ありますがパンクが少ないので通勤通学やサイクリング、普段使いにおすすめです。特にこだわりがなくパンクを気にせず走りたい人はブチルチューブを選びましょう。

また、ブチルチューブの中にはゴムを薄くして軽量化された「パナレーサー/R-Air」「コンチネンタル/race28 Light」というモデルもあります。どちらも軽量ブチルチューブで、価格がやや高く耐久性が少し落ちますが軽快に走れます。

②ラテックスチューブ

ラテックスチューブ

柔らかくて薄くて軽い高性能なゴム素材で、ロードバイクなどのスポーツ自転車に多く使われています。大きな特徴は伸縮性の高さです。手術用の手袋の素材と言えばわかりやすいでしょうか。乗り心地が良くパンクにも強い素材で、タイヤとぴったり密着することで転がり抵抗を低減すると言われています。

デメリットとしては、価格がやや高めで空気が抜けやすく乗る前に毎回空気をチェックする必要があります。走りにこだわりたい人やロングライド、ロードレースにおすすめです。

③ポリウレタンチューブ(TPU)

ポリウレタン(TPU)チューブ

2010年代に登場した最も新しい素材がポリウレタンチューブです。見た目はビニールっぽいですね。素材の特性から重量が1本40gと非常に軽く軽量で耐パンク性能も非常に高いのですが、価格がかなり高いです。

また、一回伸びたら元に戻らないことやバルブがポリウレタン製で強度が弱い、非常に薄いのでチューブ交換時に噛みこみやすい、パンク修理にポリウレタン専用パッチが必要などメンテナンス性がイマイチな面もあります。

乗り心地も硬くなるので、良くも悪くもスピードに特化したチューブと言えるでしょう。ヒルクライムやロードレースの決戦用に使うのがおすすめです。

適応タイヤサイズをチェックする

適応するタイヤサイズを確認しましょう。例えば「20C~25C」と記載してあれば、20Cから25Cまでの太さのタイヤに使えます。また、25Cタイヤに使うなら「20C~25C」より、「25C~28C」のチューブを選んだ方がゴムが厚くなるので重量は増しますが耐久性が高くなります。

バルブの規格と長さをチェックする

自転車バルブ 英式・米式・仏式の違い

バルブの長さと規格を確認します。ディープホイールの場合はリムハイトに合わせた長いバルブがいいでしょう。空気入れの差込口の深さによって変わりますが、ホイールのリムハイトに20mmプラスした長さが大体の目安になります。例えばリムハイト40mmのホイールなら60mm以上のバルブを選びます。購入後にバルブが短かった場合は、延長バルブでカバーしましょう。

バルブの規格は英式、米式、仏式の3種類あり、ロードバイクやグラベルロードなどのスポーツ自転車には仏式が使われるのが一般的です。英式はママチャリなど普通の自転車に使われています。英式はマウンテンバイクや一部のクロスバイクに使われることが多いです。

おすすめブチルチューブ

安価で丈夫、安心して使えるブチルチューブを2つ紹介します。

コンチネンタル/Race28 & race28 Light

おすすめブチルチューブ コンチネンタル/Race28

質実剛健の国ドイツのメーカーであるコンチネンタルからリリースされているチューブです。100gと一般的な重量ですが、とにかく丈夫でパンクしにくいのが特徴です。自分も各メーカーのチューブをいろいろと使ってきましたが、コンチネンタルが一番安心して乗れたのでおすすめです。多少の段差ではビクともしません。現在もこれを使っています。

バルブ長も42mm、60mm、80mmと豊富でタイヤサイズは20cから32cまで対応しています。より軽いチューブがいい人は計量モデルの「race28 Light」がおすすめです。20-25cで重量75gとなっています。

【Race28】
目安価格:900円~
サイズ:20-25C、25-32C
重量:100g、125g
バルブ長:42mm、60mm、80mm
ゴム素材:ブチル

【Race28 Light】
目安価格:2000円~
サイズ:20-25C
重量:75g
バルブ長:42mm、60mm、80mm
ゴム素材:ブチル

パナレーサー/チューブ & R-AIR

パナレーサー/チューブ&R-AIR

 

国産メーカーであるパナレーサーのチューブは高い品質で人気があります。信頼できるチューブの中で最も安い価格ながら23-26cの重量が約90gと軽量で、耐久性が高く全体のバランスがいいのでおすすめです。サイズのラインナップが豊富なので目的に合わせて選べるのも特徴ですね。

またパナレーサーからは、より軽量でブチルとラテックスの性能を併せ持った「R-Air」もリリースされています。サイズ23-28Cで76gとかなり軽量です。

【チューブ】
目安価格:600円
サイズ:18-23C、23-26C、27-31C、31-34C
重量:79g、90g、115g
バルブ長:34mm、48mm、60mm
ゴム素材:ブチル

目安価格:1800円
サイズ:23-28C、31-35C
重量:76g、112g
バルブ長:34mm、48mm、60mm
ゴム素材:ブチル R-Air

おすすめラテックスチューブ

丈夫で乗り心地が良くコストパフォーマンスが高いラテックスチューブ2つを紹介します。

ミシュラン/AIRCOMP Latex シリーズ

おすすめラテックスチューブ ミシュラン/AIRCOMP Latex A1

ミシュランはフランスを発祥とするタイヤメーカーで、自動車から農機具までいろいろなタイヤを製作しています。多くのノウハウから生まれたラテックスチューブも高品質で振動吸収性が高く乗り心地がしなやか。ロングライドやレースの疲れを減らしてくれます。価格は若干高いですが軽量でパンクに強く、乗り心地がいいです。

AIRCOMP Latexはパッケージデザインがコロコロ変わっているので、スペックか名前を見て確認するといいでしょう。

目安価格:2,700円~
サイズ:22-23C
重量:79g
バルブ長:40mm、60mm
ゴム素材:ラテックス

ヴィットリア/COMPETITION LATEX

ヴィットリア/COMPETITION LATEX

ヴィットリアはイタリアのスポーツ自転車タイヤ専門ブランドです。年間で700万本以上を生産され世界に送られるタイヤは業界トップレベルを誇ります。ラテックスの中では2,000円程度と低価格ながら軽量で突き刺しパンクに強く、転がり抵抗の低減させる設計となっています。対応するタイヤ太さも多く、19-23C、25-28C、30-38Cの規格を取り揃えてます。

目安価格:2,000円~
サイズ:19-23C、25-28C、30-38C
重量:75g、85g、105g
バルブ長:48mm
ゴム素材:ラテックス

おすすめポリウレタンチューブ(TPU)

ポリウレタンチューブは高価なので品質が確かで耐久性が高く長く使える物を2つ紹介します。

チューボリート/Tubolito road

チューボリート/Tubolito road

チューボリートは、ポリウレタンチューブの先駆者として業界をリードしているメーカーです。数多くあるポリウレタンチューブの中でも高い耐久性と39gという軽量さで信頼が厚いです。大事に乗れば安心して長く乗れるでしょう。MTB用とロードバイク、グラベル用があるので購入時はよく確認しましょう。

目安価格:4,500円~
サイズ:18-28C
重量:39g
バルブ長:42mm、60mm、80mm
ゴム素材:ポリウレタン(TPU)

シュワルベ/エアロザン

シュワルベ/エアロザン

ポリウレタンチューブ業界は新興の聞きなれないメーカーが多い中、老舗でドイツに会社を置く自転車タイヤメーカー「シュワルベ」がリリースしたのがエアロザンです。タイヤとチューブで長年培われたノウハウは信頼できます。

世界最大の化学企業であるBASFと協力して作られた素材は熱にも強く熱にも強く、78km/hからのブレーキングテストにで7回のテストに耐えています。熱くなりやすいリムブレーキでも安心して使えますね。タイヤの太さは35Cまで対応しているのでグラベルロードにも使えます。

目安価格:4,700円~
サイズ:23-28C、28-35C
重量:41g、52g
バルブ長:40mm、60mm、80mm
ゴム素材:ポリウレタン(TPU)

冬物サイクルウェアの福袋【2024年】中身ネタバレ|ワイズロードの冬物サイクルウェア福袋前のページ

関連記事

  1. どれを選ぶ!?3大コンポーネントメーカーの特徴 - シマノ編

    おすすめパーツ

    どれを選ぶ!?3大コンポーネントメーカーの特徴 – シマノ編

    ロードバイクに装備されている3大コンポーネントメーカー【シマノ・カンパ…

  2. 中古自転車とパーツの危険性

    おすすめパーツ

    中古のロードバイクやパーツ購入の注意点!古い自転車の危険性とは?

    ロードバイクなどのスポーツ自転車やパーツは、普通の自転車にくらべて高価…

  3. ドロップハンドル・ステム・シートポストの人気メーカー10選

    おすすめパーツ

    ドロップハンドル・ステム・シートポストの人気メーカー10選

    ロードバイクのドロップハンドル、ステム、シートポストはシンプルな作りで…

  4. ホイールリムとブレーキパッドの関係!ブレーキングへの影響とは?

    おすすめパーツ

    ホイールリムとブレーキパッドの関係!ブレーキングへの影響とは?

    サドルの高さやクリートの位置、わずかな軽量化にこだわる人はいますが、ブ…

  5. ホイールを選ぶ!アルミorカーボン/クリンチャーorチューブラー

    おすすめパーツ

    ホイールを選ぶ!アルミorカーボン/クリンチャーorチューブラー

    ロードバイクの性能を上げたいと思ったら、「一番効果があるのはホイールだ…

  6. 25Cサイズ限定!ロードバイクのおすすめクリンチャータイヤを比較

    おすすめパーツ

    25Cサイズ限定!ロードバイクのおすすめクリンチャータイヤを比較

    一昔前までは23C以下の細いタイヤが主流でしたが、最近はプロが使うロー…

人気記事

  1. road ロードレースの面白さ
  2. どこまで走りが変わるのか? ロードバイクのホイール交換と選び方
  3. 欲しい自転車に乗る!格安でロードバイクをつくる方法!
  4. 軽快に自転車旅を楽しむ!荷物をコンパクトに積むバイクパッキング
  5. アイウェア選びに役立つ!ブランド一覧 32選 part.2
  6. 夜間は注意!自転車のライトに必要な明るさと選び方!
  7. 40歳の中年がアマチュアロードレースに初参戦!結果と感想 Pedalista
  8. ロードバイクの修理を自分でやる!必要なメンテナンス工具 一覧
  9. ハイブリッド式&ダイレクト式!おすすめ最新特殊ローラー台 7選
  10. ロードバイクのアイウェアの種類と選び方!- スポーツサングラスのレンズなど

アーカイブ

  1. ロードホイールの空気抵抗

    おすすめパーツ

    ロードバイクのディープホイール|空気抵抗と効果
  2. ロードレースの面白さ

    ロードレースが面白い

    自転車ロードレース観戦は面白い|レース種類と展開
  3. スポーツ自転車で挑戦!大人の競技「ブルベ」とは?必要な装備まとめ

    初心者入門

    大人の自転車イベント「ブルベ」とは?必要装備まとめ
  4. 実際どっちがいいの?ロードバイクのタイヤ 25Cと23C を選ぶ

    おすすめパーツ

    実際どっちがいいの?ロードバイクのタイヤ 25Cと23C を選ぶ
  5. 比較まとめ!ロードバイク/クロスバイク/MTB/ミニベロの違い!

    初心者入門

    ロードバイク/クロスバイク/MTB/ミニベロの違い比較まとめ!
PAGE TOP