スポーツ自転車の競技種目はいったいどれだけあるのでしょうか?海外では人気の種目でも、日本では知名度が低い自転車競技がまだまだたくさんあります。
そこで今回はロードレースから室内競技、オフロード、競輪まで幅広くスポーツ自転車に関する競技種目をそれぞれわかりやすくまとめてみました。まだ知らなかった面白そうな競技がたくさんありますよ!皆さんはどれだけ知っているかチェックしてみてください。
ロードレース
ロードレースは多くの人が愛用しているロードバイクを使って行うレースです。世界には数多くのプロチームがあり、開催されるレースの数も非常に多いです。そして、ロードレースは大きく分けて「ワンデーレース」「ステージレース」「個人タイムトライアル」「チームタイムトライアル」の4種類に分けられます。
ワンデーレース
文字通り1日だけで終わるロードレースです。コース設定は平坦基調か少しだけの登りが組み込まれている場合が多いです。なので純粋なヒルクライマーが活躍できるレースは少なく、スプリンターやパンチャーが得意としてます。一発勝負であり非常に緊張感があります。
【クラシックレース】
ワンデーレースの中で国際自転車競技連合(UCI)に認められ格式と注目度が高いレースをクラシックレースと言います。また、こういった格式の高いレースだけをターゲットにして、勝利を重ねて行く強い選手を「クラシックハンター」と呼びます。
ステージレース
数日をかけて何度もレースをこなし、その総合タイムで優勝者を決めるロードレースです。有名なのは世界三大レース(グランツール)と言われる「ツール・ド・フランス」「ジロ・デ・イタリア」「ブエルタ・ア・エスパーニャ」です。それぞれ21ステージで行われる長丁場のレースですね。
平坦基調のコース設定以外に、ド級の山岳コース、タイムトライアルなど様々なコースがあり、純粋なクライマーか、オールラウンダーが総合優勝を狙います。その他、スプリンターが狙うポイント賞、クライマーが争う山岳賞などもあり大会を盛り上げます。
個人タイムトライアル(TT)
数分間隔で一人ずつ順番にスタートし、ゴール地点までの計測タイムを競いあうロードレースです。普通のロードレースは集団で走るので、人の後ろに付けば空気低気が軽減され楽に走れますが、タイムトライアルでは他の選手の後ろに付くことは禁止されています。なので、純粋な独走力が求められるレースです。自転車はロードバイクより、空気抵抗を受けにくい特殊なTTバイクが使われます。
チームタイムトライアル(TTT)
同じチーム数名で隊列を組んでスタートし、そのままゴールまでのタイムを競いあうロードレースです。自分のチーム以外の後ろに付くことは禁止されています。チーム同士でローテーションを組んで走る為、チーム全体の総合力とチームワークが必要です。
チーム内で実力が低い選手は、全力で走る強い選手にずっと付いていかなくてはいけないので、最もキツイ競技となります。
MTBレース
MTBは別名マウンテンバイクと呼ばれ、ゴツゴツした太いタイヤと、強力なサスペンションでどんな山道も走れます。なのでMTBレースは険しい山道を基本としたコースを走る事になります。
クロスカントリー(XCO)
多くの選手が同時にスタートし、自然を利用したオフロードコースを周回し着順を競うレースです。山道は大きな段差や水たまり、ぬかるんだ泥道、出っ張った大きな石、壁のような坂など数多くの障害があり、かなりのバイクコントロール力が必要となります。
後、効率の良いペダリングとバイクコントロールが無いとうまく進まないため、ヨーロッパでは多くのプロ選手が、子供の頃はMTBレースで鍛えています。
ダウンヒル(DHI)
山道の長い下りを一人だけで走り、タイムを競うレースです。MTBバイクより制動力が高く下りに特化したダウンヒルバイクを使い、難しい山道を飛ぶように下っていく様子は圧巻です。かなりのバランス感覚と、バイクコントロールを必要とし、スリル満点の自転車競技です。
BMXレース
車輪が小さく小回りが利くのがBMXです。別名バイシクルモトクロスとも呼ばれます。スタート後すぐにトップスピードまで駆け上がり、短距離を一気に駆け抜けます。
レース
8名以下の少人数でスタートし、比較的短いオフロードの周回コースを走り順位を競う競技です。オフロードと言えど、コースは人工的に整備されたジャンプ台や障害物で出来ており、ダッシュ力とテクニック重視の争いが魅力です。
フリースタイル
特別なバンクやジャンプ台を利用して、制限時間内にいかにアクロバティックな技を披露できるかを争う競技です。スポーツというよりもストリート感覚で楽しめる競技で、難易度が高い技が決まったら観客が沸きたちます。
シクロクロス
見た目はロードバイクに近いシクロクロスバイクを使った自転車競技です。シクロクロスバイクはロードバイクよりタイヤが太く、各パーツが頑丈で、制動力が高くなっています。ちょっとしたオフロードでも走れる仕様ですね。
競技もシクロクロスと呼ばれ、数十名で一斉にスタートし、決められた周回数を走り切った順位で争います。また、泥道で作られた人工的な周回コースには柵や階段があり、自転車を降りて走る場面が多々あるのが面白いですね。クリート脱着のスピードや、自転車を抱えて走る体力も持ち合わせていないと勝てない競技です。
トラック競技
室内に作られたバンクを周回するのがトラック競技です。チームで走る競技は競輪で使われるようなピストバイクみたいな自転車を使い、個人で走る場合はTTバイクに似た自転車を使います。
バンクは体育館のような木材なので路面抵抗が少なく、また室内で風も無いので外で行うレースより高速で展開が進むのが魅力です。
タイムトライアル
1km、もしくは500mを一人ずつ走り、計測タイムを競う競技です。選手はとにかく全力で走りまくります。平均タイムは時速60km/h前後にもなります。
スプリント
1kmに満たない距離を2名~4名で走り、順位を競う競技です。ゴール手前100m~200mでのスプリントで勝負が決まりますが、それまでにいかに有利なポジションを獲るかの駆け引きが見どころです。
チームスプリント
1チーム3名でスタートし、バンクコースを3周したタイムを競う競技です。ただし、計測タイムは1人目がゴールしたタイムが採用されるので、他の2名は1人の為に全力でアシストします。それぞれの周回で先頭の選手が全力で引き、ロケットのように1人ずつ切り離れていきます。最終回は1人残った選手が全力でゴールを目指します。
ケイリン(競輪)
日本で生まれて世界に広まった競技なので、そのままケイリンと呼ばれます。外国人は「Oh~ケイリ~ン↑」などと言ってるのかもしれません。数名の選手を選手ではないペースメーカーが引いて、残り750mで外れた瞬間に選手が一斉にスプリントします。ペースメーカーが外れる前の、ポジション取りの駆け引きが勝負のカギとなります。
個人パーシュート(個人追抜競走)
バンクコースの180度対角線上に分かれた2名の選手が同時にスタートし、対戦相手を追い抜いたら勝ちというトラック競技です。どちらも追い付けず決められた距離を走ったら、計測タイムで勝敗を決めます。完走距離は、男子4km、女子3km、男子ジュニア3km、女子ジュニ ア2kmで行います。
チームパーシュート(団体追抜競走)
個人パーシュートのチーム版です。1チーム4名で走り、対戦相手を追いまくります。完走距離は4kmとなり、いかに効率的にローテーションを繰り返すかが重要で、チームワークと選手の総合力が問われるトラック競技です。
スクラッチ
最大24名で一斉にスタートし、決められた周回数を誰が一番にゴールできるかを争う競技です。最もシンプルでわかりやすいルールですね。序盤と中盤でどれくらい体力を温存できるかがポイントとなります。
ポイントレース
周回の決められた所にポイント地点が設けられ、そこを5位以内で通過するとポイントが獲得でき、その合計を競う競技です。ポイントは、1位通過=5点、2位通過=3点、3位通過=2点、4位通過=1点となっており、いかにバランスよくポイントを稼ぐかが勝負の分かれ目となります。
マディソン
ルールはポイント・レースと同じですが。マディソンは2人1組で交代しながら行うチーム戦となっています。ポイント・レースの迫力と、ハンドスリングといわれるチームプレーが重要となり、動きが激しいので非常に人気があります。距離は100周25km、世界選手権では200周50kmとなっています。
各チーム走れるコースは上段と下段に分けられており、下段はレースエリア、上段は休憩エリアになっています。このエリアを行き来しながらチーム内で交代を繰り返して効率的にポイントを稼ぐかが重要な頭脳戦ですね。また、交代するときのパートナーへの合図やタッチの方法も見どころとなっています。
オムニアム
1日で4種目を走り、各種目で獲得したポイントの合計を競う個人のトラック競技です。スプリント力、持久力、駆け引き、トラック競技で必要なすべての力を試される競技ですね。陸上の10種競技に似ています。
その他の競技
これまでの枠に収まらない個性的な自転車競技を紹介します。個人的には生でちょっと見てみたいです(笑
サイクルサッカー
室内で自転車に乗りながら行うサッカーです。2人が1チームとなってボールを追いかけます。奇抜な競技に思えますが、ヨーロッパでは100年以上の歴史があり、国際自転車競技連合の正式種目として認定されています。この競技の選手はウィリーとか当たり前なんでしょうね。よく考えれば卓越したバイクコントロールはすごいです!
サイクルフィギュア
フィギュアスケートの自転車版です。6分の時間内にいかに美しく、難しい技を決められたかがポイントとなります。また、ペア、シングル、4人一組のチームの種目に分かれており、男子は力強く、女子は華やかな演技が楽しめます。