ブレーキをかけた時や、ダンシングでハンドルを振った時などに、コラムの根本がカタカタと動いたらヘッド周りのガタを疑いましょう。
そのままにしておくとベアリングが破損したり、フレームにダメージを与えてしまいますので、定期的な点検とメンテナンスと早めの対策が必要です。そこで、ヘッドパーツの調整方法を画像でわかりやすくまとめます。
トルクレンチは必須
ヘッドまわりのボルトを締める時には、締め付けトルクを計測できる「トルクレンチ」が必須です。締め付けが緩いと、走行中にハンドルが動く危険がありますし、締め付け過ぎるとボルトが突然折れる危険があります。
特にカーボン製のパーツやフレームは締めすぎると割れてしまうので、トルクレンチを持っておいた方がいいでしょう。ヘッドパーツ以外のボルトにも使いますからね。簡易型トレクレンチであれば2000円以下で購入できます。後は普通の六角レンチも必要です。
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ヘッドまわりの仕組み
ヘッドパーツの調整はカップ&コーンの構造が理解できれば簡単です。フレームのヘッドチューブには、上端と下端にそれぞれベアリングが入っています。この中をフロントフォークのコラムが通っていますが、そのままでは固定していないので動いてしまいます。
そこで、フォークコラムの中にアンカープラグ(マルチプレッシャープラグ)を装着し、ステムとスペーサーをコラムに通した上でトップキャップのボトルを締めると、アンカープラグとトップキャップが連結され、フォークコラムが固定されるのです。
ヘッドパーツの調整ができるようになると、自分でハンドルの高さを変えたり、ステム交換ができるようになりますので挑戦してみましょう。
ヘッドパーツの調整方法
まずはトップキャップのボルトを緩めて、次にステムのボルトを緩めます。定期メンテナンスでヘッドを増し締めするだけなら、トップキャップは完全に外さなくてもいいです。
ヘッドパーツにガタが出る主な原因は、トップキャップのボルトが緩む事です。増し締めするとヘッドキャップがしっかり固定されてガタがなくなります。
作業はどこかに指定トルクの記載がない確認して、トルクレンチでしっかりトルクを測りながら行いましょう。大体「1~2Nm」がヘッドパーツの指定トルクとなります。
次にステムのボルトを固定します。締め付けトルクが指定されているので、緩めに締めておいて仕上げはトルクレンチで行います。
また、この時にタイヤとハンドルがまっすぐなるように調整しましょう。上からのぞくようにして、ハンドルとフロントホイールのハブを基準にすると位置をあわせやすいです。
トルクレンチで指定されたトルクで締め付ければ作業終了です。指定トルクは大体ステムに記載してあります。もし記載がない場合は「4~8Nm」で締め付けます。カーボン製ならば低めの「4~5Nm」にしておいた方が無難です。
ステムを一番上にセットすると、ステムの固定が弱かったりコラムをつぶす危険性があります。コラムがステムをしっかり貫通するのが基本で、一番上にスペーサーをセットしましょう。
調整してもガタがあるときは?
トップキャップを増し締めしてもガタが残るようであれば、フォークコラムの中のプレッシャープラグが緩んでいる可能性があります。
トップキャップを外して、プレッシャープラグを固定し直しましょう。プレッシャープラグはフォークコラムの中に収まっています。ボルトを締めるとプレッシャープラグは固定されます。
最終チェックのポイント
トップキャップの適正な締め付け具合は、ヘッド周りにガタがなく、前輪を浮かせて少しだけ斜めにした時に自然にハンドルが切れるくらいです。
緩いのも危険ですが、締めすぎるとハンドルの動きが硬くなりますし、ヘッドチューブのベアリングに負担がかかるので注意しましょう。