ロードバイクのスプロケット(以後スプロケ)にはギア比のパターンがいくつかあり、乗り方に合わせて交換が可能です。また、摩耗やヘタリが出てきた場合も、スムーズな変速を妨げるので交換した方がいいですね。
そこで今回は、「スプロケ交換のメリット」「スプロケの互換性について」「必要な工具」「リヤホイールの外し方」「スプロケの外し方」「スプロケの取り付け方」「スプロケの保管方法」を画像付きでわかりやすく解説します。
スプロケ交換のメリット
スプロケには「11-28T」のようなギヤ比の幅を表す表記があります。「11-28T」は一番小さいギヤは歯数11で、一番大きいギヤが歯数28という意味です。ギア比が大きくなればスピードが遅くなり、ペダルは軽くなります。
上り坂では大きめのギアが付いていた方が楽に走れます。逆に体力に自信がある人は重いギアの方がスピードを出せるし、細かいギア調整が可能になるのでおすすめです。走るコース設定や、乗り手の体力に合わせてスプロケを交換するといいですね。
スプロケの互換性について
取り付けるスプロケはギア枚数が同じ物を選びましょう。交換前がシマノ11速なら、同じシマノ11速のスプロケしか装備できません。ギア比は変更できますが、変速段数は変更できないのです。
また、「11-25T」から「12-32T」へ交換するなど大きく歯数が違う場合は、リヤディレイラーの動きが変わるので、チェーンの長さも変えなければいけません。チェーンのコマ数を計算する方法はまた別の機会にまとめたいと思います。その他、ディレイラー調整も必要です。
わずかに歯数が変わるスプロケ交換の場合も、厳密にいえばチェーンの長さ調整が必要です。しかし、ディレイラー調整だけで変速はスムーズにできるようになります。軽量化などで全く同じ歯数に交換する場合は、何も調整する必要はありません。
必要な工具
スプロケの交換に必要な工具は「スプロケットリムーバー」と「フリーホイールリムーバー」の2つです。どちらもスプロケ交換専用の工具であり、これがないと作業できません。
また、スプロケを固定しているネジを緩める「フリーホイールリムーバー」はコンポーネント メーカーにによって形が違います。 シマノ、カンパニョーロ、スラム の3大メーカーに合わせて使い分けましょう。
リヤホイールの外し方
リヤホイールを外す時はチェーンがスプロケに引っかかりやすいので、思わずチェーンを動かしたくなりますが、手が油で汚れてしまうので注意です。
正しくは、クイックレバーを十分にゆるめてから、チェーンに触れないようにディレイラー本体を手で後ろに引きます。そうするとガイドプーリーも引っ張られて上がり、ホイールを簡単に外せます。
スプロケの外し方
まずはスプロケットリムーバーのチェーンの部分を、スプロケの真ん中あたりのギヤに引っ掛けて回転しないように固定します。
次にスプロケをホイールに固定しているロックリングに、フリーホイールリムーバーを溝に合わせてしっかり奥まで差し込みます。
スプロケットリムーバーとフリーホイールリムーバーをそれぞれ反対方向に回すように、真上から下に体重をかけるようにします。この時、フリーホイールリムーバーは正面から見て反時計回りに回します。ロックリングが少し緩んだら後はサクッとロックリングを外してください。
ロックリングを外したら、スプロケをしっかり挟んでゆっくり引き抜けば取り外し終了です。ギア歯はすぐにバラバラになるのでこの状態のまま保管するのをおすすめします。
スプロケの取り付け方
ギアをはめる前に、11速用ホイールに10速スプロケを取り付ける場合は専用スペーサーをはめておきます。その後、大きなギアからはめていきます。表裏を間違えない事と、歯と歯の間にスペーサーがある場合は忘れずに入れましょう。また、ギア歯は正確な位置でないとはまらないようになっています。
全てのギア歯をはめ込んだら、各ギアが等間隔の隙間になっているかチェックします。
問題なければロックリングを真っ直ぐ確実に入れて回します。この時、ロックリングを斜めに入れるとネジ山がつぶれるので注意。
最後にフリーホイールリムーバーを使って、ロックリングを体重をかけて締め付けます。締め付けトルクは40Nm。目安としてはガリガリガリ、ガクッ、ガクッ」という手ごたえがあるくらいまで締めます。(締めすぎには注意!)これでスプロケ取り付けは終了です。
スプロケの保管方法
スプロケはバラバラに保管すると見た目も悪いし、部品をなくす可能性があります。再度取り付ける時に歯を合わせる作業が面倒でもあるので、保管するときは結束バンドやヒモなどで2~3か所を縛っておくと良いですよ。