ロードバイク、クロスバイクなどのスポーツ自転車にとってサドルはとっても重要です。お尻や股間の形、ペダリングフォーム、乗車姿勢は人それぞれなので、万人に合うサドルは存在しません。そして合わないサドルを長く使用すると痛みがでてきますよね。
また、間違ったポジションや乗り方でもお尻は痛くなってしまいます。そこで今回はお尻の痛みに悩む人、長い「サドル探しの旅」から帰ってこれない人のために対策をまとめます。
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圧力分散が大事
お尻が痛くなる主な原因は、長時間同じ部分に高い圧がかかっているためです。お尻の痛みを防ぐにはできるだけ広範囲に圧を分散する必要があります。下の図で青と緑は圧力が低く、黄色と赤は圧力が高い部分です。この黄色と赤の部分が無いように座れるポジション調整とペダリングフォーム、サドル選びをしましょう。
適正なポジションに合わせる
ハンドルとサドルの距離が遠ければどうしても無理な前傾姿勢になり、体幹が弱ければ姿勢を維持できずに骨盤が寝てしまいます。骨盤が寝すぎると前立腺あたりに高圧がかかり痛みが出やすいですね。ステムを短くしたり、ハンドルを高くして「ハンドル~サドル」の距離を調整しましょう。
また、サドルが後ろすぎるとサドルの前に座りがちになり、お尻とサドルの接触面積が減り圧が高くなります。逆にサドルが前すぎるとサドルの後ろ寄りに座ることになり、股にサドルがあたってこすれたり骨盤が適正位置に乗らず痛みが発生します。サドルを交換する前に、必ずポジションをもう一度見直してみましょう。(関連記事:とっても重要!簡単なポジション調整方法)
お尻の痛みを解消する乗り方
ポジションを合わせるときはサドルの適正な位置にお尻を載せるようにします。適正位置の目安はサドルの後ろが少しお尻から見えるくらいです。そして、座るときは骨盤をやや立てるようにします。
柔軟性が高い人は骨盤を立てながら前傾姿勢がとれますが、柔軟性が低い人は無理な姿勢をしようとすると骨盤も寝てしまい痛みがでます。なので自分の柔軟性にあわせて無理のない姿勢をとるようにしましょう。
後は乗りながら定期的にダンシングするなどしてお尻を上げて血流を流します。ずっと座りっぱなしだとどんな人でもお尻が痛くなります。信号待ちなどではトップチューブにまたがるようにしてお尻を休めるのもいいですね。その他に、やはり緩衝材がお尻部分に入っているレーサーパンツをはくと快適性が格段に違います。
間違わないサドルを選び
サドルは形、大きさ、素材などがちがいます。それぞれどのような特徴があるのかをまとめます。
サドルの形
まずは横から見て平らな座面のサドルと、お尻の形に沿って座面がカーブしているサドルの違いです。平らなタイプは座る位置を前後にズラすことができ、上りや下り、巡航やスプリントと座る位置を変える人に向いています。
カーブしているタイプはは前後に移動はできませんが、カーブしている分、お尻とサドルが接触する面積が大きく圧力を分散しやすいです。お尻を固定しやすく安定感がありますね。
そして、後ろから見て平らなフラットタイプと半円状に湾曲しているラウンドタイプがあります。フラットタイプは座骨中心に支える形になるため前傾姿勢がとりやすいです。
ラウンドタイプは前傾姿勢すぎると前立腺が痛くなりやすいですが、ある程度上体を起こしていれば、お尻に触れる面積が広くなるので圧を分散できます。
幅と長さ
幅はとっても重要です。サドルには幅のサイズがいくつかあるので必ずチェックしましょう。自分の骨盤の幅によって、サドル幅の大きさが変わります。骨盤幅のはかり方は、段ボールを床に敷き下着か薄いパンツで体操座りをし、くぼんだ2点の長さをはかります。
そして「はかった座骨幅+ 20mm以上」がサドル幅の目安になります。一般的に女性の方が座骨幅が広く、サドル幅も大きくなります。
穴あきサドル
どうしても前立腺あたりに痛みがでてしまう場合は穴あきタイプがおすすめです。自分もこの穴あきタイプじゃないと長時間は乗れません。穴にも微妙な大きさや位置の違いがあるので買う時は要チェックです。
素材とクッション性
座面の素材にはスポンジやゲルといろいろあります。面白いのは柔らかすぎると逆にお尻が痛くなる場合があることですね。こればっかりは実際に乗ってみないと自分に合っているのかはわからないと思います。
表面素材もツルツルしている物、ザラザラしている物があります。ツルツルは乗りながらお尻を微妙に動かして調整しやすく、ザラザラはお尻がズレにくいです。
また、レール部分もチタン、クロモリ(鉄)、アルミ、カーボンと素材があり、本当に微妙な違いですがしなり具合でクッション性が違います。
プレッシャーマッピングで科学的に分析
どうしてもお尻の痛みが解決しない場合は、科学的に分析してくれるサービスもあります。プレッシャーマッピングと呼ばれる方法で、サドルにセンサーを取り付けて固定ローラーを回しながらお尻の圧を分析する方法です。いろいろなサドルで試しながら自分に合った物を探すことができます。
また、店員さんが乗り方やポジションもみてくれるので、サドル以外の問題も客観的に解決できます。このサービスはスポーツ自転車の専門店で取り扱っているので近くのお店を探してみましょう。
まとめ
- お尻の痛み対策では圧力分散が大事。
- サドルを交換する前にポジションを見直す。
- ペダリングフォーム、姿勢も見直し、走行中にお尻を上げて休ませる。
- サドル選びはサイズ、素材、形をよく見て検討する。
- どうにもできなければ専門的に診断してもらう。
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