ロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイクなどのスポーツ自転車は、洋服のように各パーツにサイズがあります。身体の大きさに合っていないスポーツ自転車に長時間乗ると、体に痛みが出たり見た目が不格好になったり、速く快適に走れなかったりと問題が生じます。
パーツによっては購入してからでも大きさを変更できますが、無駄な出費をしないためにもスポーツ自転車を買う前に各パーツのサイズをしっかり確認しましょう。初心者でもわかりやすいようパーツ別にサイズの見方や適応身長の目安などをまとめます。
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フレームのサイズ
フレームはロードバイクの根幹になる重要なパーツなので、後でサイズが合わなかったといっても変更は難しいです。出来ないことないですが、組み替える工賃を考えるとかなりの出費になります。
なので、ロードバイクを購入する前に、まずはフレームのサイズをしっかり確認しましょう。フレームとはスポーツ自転車の基本となる本体のパーツです。完成しているスポーツ自転車を買う場合は、フレームを基準にその他のパーツもサイズを合わせてありますので、フレームさえ確認しておけば取り合えず安心です。
また、フレーム各部の細かい寸法や構成(ジオメトリー)はメーカーによって違います。大手の自転車チェーン店などでは、初心者にもわかりやすく値札にフレームサイズと適応身長が書いてありますが、できればメーカーのホームページかカタログで再確認する事をおすすめします。
そして、ジオメトリーはトップチューブ値、シートチューブ値、ダウンチューブ値、シートステー値、チェーンステー値で表記されます。この中で、サイズ判断の基準になるのはトップチューブ値です。
注意する点は、斜めになったり湾曲しているタイプのトップチューブもあるので、その場合はホリゾンタル換算(水平換算)の値を基準にしましょう。ホリゾンタルとはトップチューブを水平にした場合の長さの事です。
フレームのジオメトリーは長さだけではなく角度も影響します。同じトップチューブ長でもメーカーによって適応身長が微妙に違うので、メーカーのサイトかカタログで確認する事が非常に重要です。同じメーカーでも機種やグレードによってサイズと適応身長が違うので注意しましょう。一応、大まかなトップチューブ長と身長の適正表も表示しておきます。
トップチューブ長(mm) | 身長(cm) |
---|---|
480 | 157.5~162.5 |
490 | 160~165 |
500 | 162.5~167.5 |
510 | 165~170 |
520 | 167.5~172.5 |
530 | 170~175 |
540 | 172.5~177.5 |
550 | 175~180 |
560 | 177.5~182.5 |
570 | 180~185 |
580 | 182.5~187.5 |
590 | 185~190 |
600 | 187.5~192.5 |
しつこいようですが、フレームが大き過ぎると後でポジション修正ができないので要注意です。逆に小さいフレームは、他のパーツを長くしてある程度ポジション修正できるので、迷ったら小さめがおすすめです。後は購入前に必ず試乗もしたいですね。|関連記事:ロードバイクの簡単なポジション調整方法
チェーンリングの大きさ
チェーンリングとは、クランクの円周に付いているギザギザのパーツの事です。ロードバイクには外側と内側と大小2枚装備されています。
店舗で販売されている完成車の多くは、円周が小さくて歯数が少ないコンパクトクランクが搭載されています。コンパクトクランクは大きいリングが歯数50、小さいリングが歯数34で構成されていて「50-34」と表記されます。
歯数が少ないのでペダルを回すのは楽になりますが、その分速度は遅くなります。アマチュアロードレースへの参加など考えず、普通に楽しく乗る分にはコンパクトクランクで十分です。その他ノーマルクランクは「53-39」、ノーマルとコンパクトの中間にあたるセミコンパクトは「52-36」となります。
歯数が1つ違うだけで走りも結構違うものです。体力に自信があってガチで速く走りたい人は「52-36」以上がいいかもしれませんね。
- 50-34:コンパクトクランク。ペダルは軽いけどその分スピードでないです。上りも楽ですね。
- 52-36:セミコンパクトクランク。中間の性能。ややノーマル寄りなギヤ歯数です。
- 53-39:ノーマルクランク。ペダルは重くなるがハイスピードで走れます。登りがキツいですね。装備してアウターギヤで山を上れば男の中の男と注目を浴びます(笑)。
クランクアーム長
クランクアームはクランクとペダルをつなげている棒の事です。この部分にも長さがいろいろあります。クランク長が体に合わなかった場合はクランク全体を交換する必要があり、かなりの出費になるのでしっかり確認してスポーツ自転車を購入しましょう。
クランクアームが長いとトルクが大きくなり楽にペダルを回せますが、ペダル1回転の円周が長くなり回転数(ケイデンス)が下がります。また、長すぎると脚を大きく動かす事になるので、膝や足首に負担がかかり痛みの原因にもなります。
よく身長の10分の1が基準とか書いてあるサイトを見かけますが、判定方法に無理があるのであまりおすすめしません。股下長にもよりますが、身長175cmで175mmのクランク長とかキツいですよ。実際私は身長175cmですが170mmと172.5mmのクランクアームを長期間乗り比べた上で、現在は170mmを使ってます。
ショップで販売されている多くの完成車にも170mmが装備されている場合が多いです。下はクランクアーム長と適応身長、適応股下長の目安です。迷った場合は詳しい店員さんに相談してみましょう。
身長(cm) | 股下(cm) | クランクアーム長 |
---|---|---|
150~154 | 65~67 | 150 ±2.5 |
154~157 | 67~69.5 | 155 ±2.5 |
157~160 | 69.5~71 | 160 ±2.5 |
160~161.5 | 71~72 | 162.5 ±2.5 |
161.5~164 | 72~73.5 | 165 ±2.5 |
164~167 | 73.5~76 | 167.5 ±2.5 |
167~177 | 76~81 | 170 ±2.5 |
177~180 | 81~83 | 172.5 ±2.5 |
180~188 | 83~88 | 175 ±2.5 |
188~191 | 88~90 | 177.5 ±2.5 |
191~ | 90~ | 180 ±2.5 |
ちなみに、クランクアームの長さを現物で確認したい場合は先っぽの裏に表記されています。(参考記事:クランクアーム長さと身長股下の適正表)
ステムの長さ
ステム長は大体10mm単位で交換でき、サドルからハンドルまでの距離を調整できます。70mmから140mmまでのサイズがありますが、短すぎるとカッコ悪くハンドルが安定しないので、90~120mmくらいにしておくのが一般的です。
ステム長はフレームのトップチューブ長(ホリゾンタル換算値)との兼ね合いもあるので一概には言えませんが、力を抜いて試乗し脇部分の腕と体の角度が90度くらいになるのがいいと言われています。
ステムはそんなに高いパーツではありませんし(2000~10000円)交換作業は簡単なので気軽に変更可能です。いろいろと試してみてもいいかもしれませんね。
ただし、取り付け時にネジが緩かったりすると走行時の事故につながります。逆にきつく締めすぎるとネジが折れてしまう事もあります。適正なトルク(締め付けの力)でしっかりと取り付けましょう。(参考記事:パーツ別適正トルク表)
ハンドル幅
ハンドル幅にもサイズがあり、肩幅と同じくらいに合わせるのが基本となります。ハンドルを握って両手を平行に真っ直ぐ伸ばせるか、それよりやや広めの幅が目安となります。
肩幅より広いハンドル幅は、操作の安定感が増しますがやや前傾姿勢となり空気抵抗も若干大きくなります。逆に、肩幅より狭いハンドル幅は安定感が落ちますので、初心者の方はやめておいた方がいいでしょう。
また、ハンドル幅の表記は「芯ー芯(C-C)」と「外ー外」と2パターンあります。芯ー芯(C-C)400mmと外ー外の420mmはほぼ同じサイズとなるので、確認する際はどちらの表記となっていか注意が必要です。
まとめ
ロードバイクやクロスバイクを購入する目には、これまで紹介した各パーツのサイズを確認し、実際に試乗してみる事が重要です。また、初心者の方がちょっと乗っただけではサイズの判別は難しいので、ショップスタッフや詳しい友人に客観的に見てもらうのもいいでしょう。
- フレームサイズは検討しているロードバイクメーカーのサイトかカタログでしっかり確認しましょう。
- クランクの基本はコンパクト。レースを考えるならノーマルかセミコンパクトも考えます。
- クランクアーム長は身長を基準に確認します。
- ステム長も試乗して確認をする。違和感があれば交換してもらう。
- ハンドル幅は肩幅を目安に合わせましょう。
- パーツを取り換える時は、適正トルクでネジを締めましょう。
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