2016年10月29日(土)に行われた「ツール・ド・フランス さいたまクリテリウム」のレースレポートです。世界最高の自転車レース「ツール・ド・フランス」主催でさいたま市の全面協力を得て開催された今大会は、多くのブースが出店しフランスの本大会をそのまま日本に持ってきたような雰囲気の中で行われました。
今年の4賞獲得選手が全員揃い、その他の名だたる選手も多く集まったのも良かったと思います。あの有名な悪魔おじさんも会場に来ていて、ハロウィンという事もあり悪魔スタイルの日本人女子と盛り上がっていました(笑 悪魔おじさんはコンビニでスポーツ新聞も読んでいたみたいです(わはは!
今回のレースは日本人選手も多く参戦していたのでワクワクした展開になりました。面白かったです! 2016さいたまクリテリウムの詳細情報はこちら
前日イベント
レース前日にはイベントが行われ、選手が袴に着替えてひな祭りの並びで写真を撮ったり餅つき大会が行われました。豪華ですが変な絵ですね(笑 サッカーで言えばメッシやクリロナが集結してひな祭りやるような感じですもんね。
選手インタビューではみんな優勝候補にペーター・サガンを挙げてましたがトップスプリンターのキッテルなども参加している為、「展開によってどうなるかわからないから・・。」みたいにサガンは慎重な発言してました。
レースレポート
1周3.1kmで20周、合計62kmのコース設定で大会は行われました。コースはアップダウンがほとんどない平坦コースなので予想通りハイスピードな展開になりました。
注目選手は今年の世界選手権優勝やツールのスプリント賞を獲得しているペーター・サガン、ツール総合優勝のクルス・フルーム、ツール総合2位のロメン・バルデ、ツール山岳賞のラファエル・マイカ、ツール新人賞のアダム・イエーツ、トップスプリンターのマルセル・キッテル、そして日本の新城幸也と別府史之と超豪華なメンバーです!
4、8、12、16周目にはスプリントポイントが、5、9、13、17周目には山岳ポイントが設定されているのも注目です。
- 1周目 - ゆっくりとした立ち上がりでスタートします。途中でアンカーの内間選手がアタックを仕掛けて6人の逃げグループができますが、1周目はニュートラルレースだとわかると苦笑いでメイングループに戻っていきます(笑 どんまい!
- 2周目 - すぐにアタックがかかり11人の逃げグループが形成されます。主力を含むメイングループでは別府のアシストで新城幸也が先頭を引く場面もありました。3周目手前で逃げとメイングループの差は13秒。
- 3周目 - 展開は変わらず大きな動きもなくレースは進みます。メイングループはオリカが引きます。
- 4周目 - 4周目には今回のレースで4回設定されているスプリント賞のゴールがありました。逃げグループでは特にスプリントがかかることなくアージェードゥゼールのサミュエル・ドゥムランがスプリントポイントをトップ獲得します。逃げとメイングループの差は21秒まで開きます。
- 5周目 - 5周目は今回のレースで4回設定されている山岳賞ゴールの1回目がありました。ここでメイングループから山岳賞を狙う選手がスピードを一気に上げます。そのままの勢いで逃げグループを吸収、集団は1つにまとまります。山岳ポイントはジャイアント・アルペシンのクーン・デコルトがトップで獲得。
- 6周目 - ここでレースが大きく動きます。ツール総合2位のロメン・バルデがアタックするとキッテルも追走し6人の逃げグループができます。キッテルは8周目にあるスプリントポイント狙いで、バルデは9周目にある山岳ポイント狙いですね。
- 7周目 - 逃げグループの6人はしっかりローテーションしメイングループとの差を広げていきます。逃げとメイングループの差は18秒。
- 8周目 - レースはそのまま進みスプリントポイントはマルセル・キッテルがトップ通過。スプリントでは8割程度の軽い踏みで他を圧倒し強さを見せました。
- 9周目 - ここで逃げグループはさらにスピードを上げ、メイングループは逃げを容認しスピードを緩めたことで差が40秒以上開きます。この勢いでキッテルは12週目にもあるスプリントポイントを狙います。
- 10周目 - 2回目の山岳ポイントをバルデが順当に獲得し山岳賞をグッと引き寄せます。
- 11周目 - そのままレースは何事もなく進み逃げとメイングループの差は30秒程度まで縮みます。
- 12周目 - メイングループはジャイアント・アルペシンがコントロールし逃げているキッテルをアシストします。アシストに応えるように余裕でスプリントポイントをトップ通過。スプリント賞はこの時点でほぼキッテルの物に!
- 13周目 - メイングループが山岳ポイントを狙ってスピードを上げたので、逃げグループからバルデがさらにアタックし一人で抜け出します。そしてそのまま逃げ切り山岳ポイントをトップで獲得。山岳賞もほぼ決定です。
- 14周目 - がんばって一人で逃げていたバルデもメイングループに吸収されます。14周目終盤に先頭集団を引いていた別府史之がするするとアタックをかけます。
- 15周目 - 別府のアタックに一緒に乗ったのは新城幸也とアージェードゥゼールのアレクシス・ヴュイエルモーズでした。3人はうまく協調してメイングループとの差を広げます。別府と新城は今回特別な日本チームとして組んでいるのでワクワクしました。このまま逃げ切って優勝できるか!?逃げとメイングループとの差は10秒。
- 16周目 - メイングループもゴールが近いので逃げグループとの差が広がらないようにスピードを上げます。先頭はオリカとエティックスが引きます。サガンやキッテル、フルームなどの注目選手も前にメイングループの先頭付近に上がってきます。ここにはスプリントポイントがありましたが特に大きな動きはなくキッテルのスプリント賞が確定します。逃げとメイングループとの差は14秒。
- 17周目 - クイックステップが最後のキッテルの最終スプリントの為にメイングループの先頭を引きます。逃げグループでは新城が別府を守るようにして多めに先頭を引きます。
- 18周目 - どんどんレースのスピードが上がります。最終局面へ向けて選手の顔つきも一段と険しくなり本気モードです。ここで別府が動きます。逃げグループから一人でアタック!このまま優勝ゴールを必死に目指します。(がんばれ!) 山岳ポイントは大きな動きはなくロメン・バルデの山岳賞が確定します。別府とメイングループとの差は14秒。
- 19周目 - 更にメイングループののスピードが上がります。そして残念ながら別府はここ吸収され逃げ切りならず~。そしてここでツール総合優勝のフルームがカウンターアタック!フルームはスプリンターではないので早めの仕掛けですね。これに付いて行ったのが優勝候補筆頭ペーター・サガンとツール新人賞のアダム・イエーツ、そして今年の日本選手権で優勝したアンカーの初山翔(すごいぞ!)でした。そのまま4人で逃げの体制に入ります。キレイにローテーションしながら11秒の差を作り出し最終周へ突入します。
- 20周目 - いよいよ最終周です。もう優勝は先頭の4人に絞られて初山にも期待がかかります。中盤でイエーツがアタックで飛びだして優勝を狙いますがフルームがそれを猛追!サガンと初山は冷静にフルームの後ろで力を溜めます。そしてイエーツが捕らえられたところでサガンが最終スプリント、初山がそれに続き追いすがりましたがサガン勝利!初山はなんと2位に入りました。すごいよー、おめでとう! 3位はフルーム、4位はイエーツでした。
レース結果まとめ
優勝:ペーター・サガン(ティンコフ・サクソ/スロバキア)
2位:初山 翔(ブリジストン・アンカー/日本)
3位:クリス・フルーム(チームスカイ/イギリス)
7位:別府史之
スプリント賞:マルセル・キッテル(エティックス・クイックステップ/ドイツ)
山岳賞:ロメン・バルデ(アージェードゥゼール/フランス)
おまけ情報
- 優勝したサガンは前夜祭でゲームセンターにある太鼓の達人をプレイし相当気に入ったようです。太鼓の達人を本気で購入しようとどこで買えるのか聞いて回っているようです(笑 すぐ飽きると思いますが・・。
- 日本は海外選手から人気のようで、今回のレースにも参加したいと希望してた選手は多かったようです。日本人カメラマンの辻啓さんも「どうやったら日本に行けるんだ?」と多くの質問を受けたと言ってました。ちょっと観光気分ですかね(笑