3月になりロードレース本番の季節がやってきましたね。そこで前回に引き続き、世界トップカテゴリー「UCIワールドツアー」に所属する全18チームを紹介します。
チーム情報や注目選手、使用するロードバイクなどを知っておくと、ロードレース観戦がより楽しくなると思います!スカパー!に登録して「J SPORTS」でロードレース観戦!
今回紹介するのは「ディメイションデータ」「エフデジ」「カチューシャ・アルペシン」「ロット エンエル・ユンボ」「ロット・ソウダル」「モビスター」の6チームです。
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【目次】
TEAM DIMENSION DATA/チーム ディメイションデータ
エーススプリンターのカヴェンディッシュを中心に、ステージレースの平地区間やワンデーレースを得意とし、数多くの勝利をあげるチームです。ただ、グランツールの区間優勝やワンデーレースで勝てても、ステージレースの総合順位にはほとんど絡まないのでチームランキングは高くないのが残念です。
今年もカヴェンディッシュを中心に、アシスト選手もスプリント系の選手を揃えている印象です。平地ではキレイなトレインとチームワークで力を見せつけ、勝利を重ねる事でしょう。

左から「マーク・カヴェンディッシュ」「オマール・フライレ」「スティーブン・カミングス」
やはり一番の注目選手は、マン島超特急やキャノンボールといったニックネームを持つ圧倒的スプリンター「マーク・カヴェンディッシュ」ですね。ツール・ド・フランス(以下ツール)、ジロ・デ・イタリア(以下ジロ)、ブエルタ・ア・エスパーニャ(以下ブエルタ)の世界三大大会だけでも通算48勝という成績はもはや伝説です。(本当にすごい・・)
今年は31歳とベテランの域に入りましたが、「スティーブン・カミングス」や「エドヴァルド・ボアッソンハーゲン」といった強力なスプリント系アシストがいるので、まだまだ勝利を重ねそうです。
それ以外には、総合系で生粋のクライマー「オマール・フライレ」がいます。山岳の難易度が高いブエルタで2015、2016と2年連続で山岳賞を獲得しています。今年も山岳では注目の選手です!

【CERVELO S5/サーヴェロ S5】
ディメイションデータが使うロードバイクはサーヴェロです。リヤタイヤを包み込むような独特のシートチューブレイアウトなど、とにかく空力性能を重視したスタイルでスプリントやTT(タイムトライアル)で活躍できるマシンです。スプリントチームのディメイションデータとイメージはピッタリ!
メインコンポはシマノですが、クランク周りはROTORが装備されています。また、ホイールはエンヴィとなっており、全体的にスタイリッシュで個人的にはカッコいい組み合わせだと思います。
FDJ/エフデジ
20年以上の歴史を持つ息の長いフランスのチームです。チームの特徴としては、前回の記事で紹介したもう一つのフランスチーム「AG2R」とよく似ています。フランス国内の選手を中心に構成されたメンバーは、地道に育てた選手が多いです。
特に目立った強さはありませんが堅実なレース運びで勝利を狙います。また、フランス国内ではファンが大変多く、大きな結果を常に期待されています。

左から「ティボ・ピノー」「アルノー・デマール」「アルチュール・ヴィショ」
フランス期待の星「ティボ・ピノー」はグランツールで総合系エースとして戦います。しかし、2014年にツールで総合3位に入る快挙を達成しましたが、その後はなかなか結果を残せていません。
チームのアシスト力が他のチームより見劣りするので勝負所で1人になってしまう事が多々あり、少しかわいそうではありますが今年は何とかグランツール総合で上位に食い込んでほしいです。情報によるとジロとツールに出場予定です。
その他、スプリンターの「アルノー・デマール」、パンチャーの「アルチュール・ヴィショ」などがいますが、現実的にはグランツール区間1勝か、ワンデーレースでの勝利が目標となるでしょう。

【LAPIERRE XELIUS SL ULTIMATE/ラピエール・ゼリウス SL アルティメイト】
エフデジが駆るロードバイクは「ラピエール・ゼリウス SL アルティメイト」です。フランスのメーカーであり、カラーもフランスのトリコロール!どこまでも国家愛が強いチームですね。
ゼリウスの特徴としては、シートステーがシートチューブと交わることなく直接トップチューブとつながっている独特のフレーム形状です。乗り心地を考慮しての設計ですね。カモシカのように優雅なフレームシルエットは素敵です。後、メインコンポとホイールはシマノ製です。
TEAM KATUSHA ALPECIN/チーム カチューシャ・アルペシン
昨年まではロシア政府とロシアの大手企業がスポンサーでしたが、今年から本拠地をスイスに移し新しく生まれ変わったチームです。それにより昨年まで14人いたロシア人選手は5人に減らされてしまいました・・。
ただ、入れ替えに獲得した選手は、TTスペシャリストの「トニー・マルティン」をはじめ強力なメンバーで、スプリンター、クライマー、TTと各方面のスペシャリストをバランスよく揃えられた印象です。今年はグランツールでも区間賞をいくつか獲得し、総合でも上位に入ってくるのではないでしょうか。

左から「アレクサンドル・クリストフ」「トニー・マルティン」「イルヌール・ザカリン」
「アレクサンドル・クリストフ」はツールで区間2勝をはじめ、数多くのワンデーレースで勝利をあげている生粋のスプリンターです。そしてTTスペシャリストであり、トレイン先頭でチームを強烈に引っ張るその姿から機関車の異名をとる「トニー・マルティン」がいます。世界選手権で7回の優勝を誇る実力者で、今年もTTとアシストで活躍するでしょう。
ステージレース総合ではヒルクライムとTTどちらも高いレベルでこなす「イルヌール・ザカリン」がグランツールで上位を狙います。その他には山岳賞を狙える実力派クライマー「レイン・タラマエ」などがいます。

【CANYON AEROAD CF SLX/キャニオン・エアロード CF SLX】
カチューシャはドイツ製ロードバイク「キャニオン・エアロード CF SLX」を使います。エアロードは、キャニオンのフラッグシップモデルの中ではエアロ系のフレーム形状となっています。後で紹介するモビスターも同じキャニオンですが、そちらはオールラウンド系のアルティメイトを使っているのは興味深いですね。
ただ、エアロードは前年引退したクライマー「ホアキン・ロドリゲス」が山岳で愛用していたので、平地だけでなく総合的に優れた性能を持っているようです。後、メインコンポはスラム、ホイールはジップとなっています。
TEAM LOTTO NL-JUMBO/チーム ロット エンエル・ユンボ
昨年のグランツールで優勝争いをしたり、ワンデーレースでの勝利を着々と増やしているため、近年注目されているオランダのチームです。今年はオランダ人エースの「スティーフェン・クライスヴァイク」を支えるアシストを補強しています。
グランツール制覇を狙うと同時に、スプリントのアシストも強化しワンデーレース対策もバッチリです!今年は昨年以上に期待が持てるシーズンとなりそうです。

左から「スティーフェン・クライスヴァイク」「ジョージ・ベネット」「ディラン・フルーネウェーヘン」
総合系エースの「スティーフェン・クライスヴァイク」は、昨年のジロで優勝確実という所まで行きながら、まさかの大落車で夢を逃がしてしまいました。レース終了後の本当に無念そうな顔はちょっとかわいそうでした。今年は気を取り直してグランツール初優勝を目指して欲しいです。
後は昨年のブエルタで総合10位に食い込んだ「ジョージ・ベネット」、ワンデーレースが得意でグランツール区間賞を狙う「ディラン・フルーネウェーヘン」などがいます。他にもグランツール総合上位レベルの「ユルヘン・ヴァンデンブロック」やアシスト専門の「ロベルト・ヘーシンク」など「クライスヴァイク」を支えるアシストは揃っています。

【BIANCHI OLTRE XR4/ビアンキ・オルトレ XR4】
昨年に引き続きロット エンエル・ユンボが乗るロードバイクは「ビアンキ・オルトレ XR4」です。スピードレースで力を発揮するエアロロード系で、優れた空力性能はもちろんの事、ビアンキ独自の振動吸収素材が快適性を高めています。
また山岳ステージでは軽量オールラウンドタイプの「スペシャリッシマ」も登場すると思います。そして、コンポとホイールはシマノです。
LOTTO SOUDAL/ロット・ソウダル
元々スプリントが強く、クラシックレースなどで勝利を量産するベルギーに本拠地を置くチームです。だけど昨年は、思うような結果を残せずに、勝ち星を大きく減らしてしまいました・・。
今年もそこまで大きな補強は行っておらず、スプリンターでエースの「アンドレ・グライペル」に頼る戦いになるかもしれないです。

左から「アンドレ・グライペル」「トニー・ガロパン」「ティム・ウェレンス」
エーススプリンターの「アンドレ・グライペル」はワンデーレース、グランツール問わず多くの勝利を獲得している選手です。スプリンターらしい大柄な体格でゴリゴリ走るので愛称はゴリラ・・。34歳と年齢が気になりますが、ロット・ソウダルの運命は彼の活躍にかかっています。
その他に、ベテランスプリンターの「トニー・ガロパン」と若手スプリンター「ティム・ウェレンス」がグランツール1勝とワンデーレース優勝を狙います。

【RIDREY HELIUM SLX/リドレー・ヘリウム SLX】
ベルギーのチームが使うのはベルギーブランドの「リドレー・ヘリウム SLX」です。750gと軽量なフレームながら剛性が高く登坂性に優れ、とにかく極細のシートステーは快適な振動吸収性で石畳コースでも活躍します。そして、メインコンポとホイールは、カンパニョーロで揃えてます。
MOVISTAR TEAM/モビスター チーム
UCIワールドチームランキング4年連続1位と、ワンデーレース、ステージレースどちらでも優勝を量産しているスペインの名門チームです。とにかく選手の質と層の厚さはすごいですね。このチームには紹介したい選手が多くいるのですが、長文になるので止めときます(笑

左から「ナイロ・キンタナ」「アレハンドロ・バルベルデ」「ヨナタン・カストロビエホ」
まずはなんといっても小柄なコロンビア人クライマー「ナイロ・キンタナ」でしょう。まだ27歳と若いですが、すでにジロとブエルタで総合優勝し、ツールでも新人賞、山岳賞を獲っています。今年は悲願のツール総合優勝を狙うはずです。
そしてキンタナと同じくらいのインパクトがある「アレハンドロ・バルベルデ」です。ブエルタ総合優勝1回とポイント賞3回を獲得済みで、もしキンタナが不調でもこの人がグランツール優勝を狙えるほどの実力を兼ね備えています。それだけでなく大きなクラシックレースでの勝利も数多く、パンチャー的な能力も高いのが特徴です。このような実力者がアシストするので、キンタナは心強いはずですね!
その他、エースを献身的かつ強力にサポートできるアシストは「ヨナタン・カストロビエホ」「アンドレイ・アマドール」「ダニエーレ・ベンナーティ」「カルロスアルベルト・ベタンクール」「ルーベン・フェルナンデス」と揃っています。
さらに「30年に1人の逸材」と呼ばれる「マルク・ソレル」という若手もいるあたり、今後のチーム運営は盤石なようですね。

【CANYON ULTIMATE CF SLX/キャニオン・アルティメイト CF SLX】
同じキャニオンでも空力に優れたエアロードを使う選手がいますが、エースのキンタナが好むのは「アルティメイト CF SLX」です。空力、軽量性、快適性をバランスよく配慮した万能なロードバイクです。コンポとホイールはカンパを使用しています。
余談ですが、モビスターの選手が実際に使用したバイクがCANYONから毎年販売されています。ちょっと憧れますが、ホイールなどの装備も最高級品なので値段が高いんですよねぇ・・。
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