スポーツ自転車の数あるパーツの中でもBB(ボトムブラケット)は、異音などトラブルが比較的多いパーツです。
そこで今回は、「BBとは?」「BBの規格」「BB異音発生の原因」「BB異音の解消方法」「BB30は異音トラブルが多い?」「セラミックBB」について書きます。BBのトラブルや交換の参考になればと思います。
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BBとは?
BBとはフレームの中に埋め込まれており、ベアリングでクランクの軸を支えるパーツです。BBの強靭なベアリングがクランク軸を支えスムーズに回転する事で、滑らなペダリングが可能になります。
BBの規格
BBは大きく分けるとスレッドタイプとプレスフィットタイプに分けられます。そして、さらに規格は細かく分かれており、フレームメーカーやクランクメーカーに合わせる必要があります。交換する時は「シェル幅」「BB内径幅」「ネジ切り式か圧入式」「取り付けるクランクのメーカー」をしっかり確認しましょう。
スレッドタイプ
古くから使われているタイプです。両側にネジが切ってあり、ネジを回して締める事でフレームに装着します。多くのメーカーがこのネジ切りタイプではなく圧入式に移行してますが、高級ブランドのピナレロなどは依然スレッドタイプを採用しています。
構造上、剛性が高く変形や摩耗に強いので異音が発生しにくく、交換もネジを回すだけなので比較的簡単です。また、規格は2種類あり、シェル幅68mmなら「JIS(日本工業規格)」、シェル幅70mmなら『ITA・イタリアン規格』を選びましょう。
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プレスフィットタイプ
硬い樹脂製のベアリングカップを、フレームに押し込んで圧入するタイプです。今最も多いのがこのタイプですね。スレッドタイプに比べてBBを装備するフレーム部分を大口径化できるので、剛性が高くできると言われています。
規格は「BB30」「BB30A」「PF30」「BB86」「BB90」「BBライト」「BB386EVO」「BB65」と数多くあり、フレームメーカーやクランクメーカーによって対応規格が違います。交換する際はしっかり確認しましょう。
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BB異音発生の原因
BBの異音発生の原因をまとめました。人的な原因も多いみたいですね。
摩耗や経年劣化
当たり前ですが長期間、もしくは長距離を走ればベアリングが摩耗でヘタります。また、ベアリング周りの樹脂や金属も経年劣化で強度が落ちたり、錆びたりして、フレームとの間に隙間ができると異音につながります。BBは一般的に走行1万kmでの交換が目安となります。
いいかげんな作業
BB交換やグリスアップの作業はシビアです。フレームメーカーやBB規格ごとにいろいろとノウハウがあります。そこで間違ったやり方をすると後々の異音発生などのトラブルにつながるのです。
交換は、正しいBBを選択し、適正なグリスと工具を使い、正確な方法で組み付ける必要があるのです。
自作工具はやめよう
大きめのボルトなどを駆使して、自作工具でBB脱着をする人も結構いるんじゃないでしょうか。しかし、ちゃんとした工具を使わないと、フレームやベアリングを痛めて異音の原因となってしまいます。自作工具で異音が発生しても自己責任となるので気を付けましょう。
BB異音の解消方法
BBから異音が発生した場合、交換か取り外してのグリスアップが必要です。ただ、BBはシマノの最高グレード「デュラエース」でも3000円くらいなのでグリスアップだけじゃなく交換をおすすめします。
そしてBBの取り外しや取り付けには、BBの規格に合った特殊工具が必要で、作業は経験を必要とします。あまり自信がない人はプロショップに任せた方が無難です。特に圧入式のプレスフィットタイプは難易度が高いので、自分でやるならば慎重に作業しましょう。
BB30は異音トラブルが多い?
一番初めに登場したプレスフィットタイプBBはキャノンデールが開発したBB30でした。現在もキャノンデールやFSAなど数社がこの規格を採用しています。
そして、BB30採用のロードバイク発売当時に、使用したユーザーから異音が出るとクレームが多く出ました。原因は、長く乗ると摩耗によって0.1mmほどの遊びができてしまい、そこに水や砂などの異物が侵入し、さらにフレームが削れてしまう事でした。また、異音の他にも取り外す時にハンマーで叩き出すので、フレームに大きな負担がかかってしまう事も問題でした。
しかし2016年以降は設計や製造方法を改良してこの問題はほぼ解決しています。数百台組み立てた試乗車を検査しても異音の発生は1台もないとの事。なので現在のBB30は全く異音の心配はないでしょう。
セラミックBB
セラミック製のBBに交換するとクランクの回転が若干スムーズになります。しかし、体感できるレベルではありませんし走りにも影響はないでしょう(笑
それどころか雨水やホコリを防ぐシールが弱くなります。もし雨やホコリが入るとベアリングの摩耗を早めたり回転の負荷になったりしますね。こまめにBBを交換できるならばセラミックBBもありかと思いますが、そうでなければ耐久性が高く防塵機能を備えた普通のBBがおすすめです。
まとめ
- BBとはクランクの軸を支えるパーツ
- BBの規格は数多くあり、フレームメーカーやクランクメーカーに合わせる必要がある
- 異音発生の原因は、摩耗や劣化の他に作業や工具の間違いがある
- BB交換作業は難易度が高い
- 現在のBB30は異音発生の心配はない
- セラミックBBより普通のBBがおすすめ
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