頑張って山を上っているのに、後ろから皆にササッと抜かれてしまう・・。ちょっと悔しいですよね。ではどうすればいいのでしょうか?速い人は、もちろんフィジカルも強いのでしょうが、それだけではなく体重と体を上手に使って上ります。フィジカルが弱い女性でも、ヒルクライムが得意な人は沢山いますよね。
そこで今回は、ヒルクライムを楽に上るコツをいくつか紹介します。イマイチ坂に自信がない・・。って人は実践してみてください。
ヒルクライムを楽しむ
今までたくさんの人と一緒にロングライドへ行きましたが、ヒルクライムが得意な人にはある共通点があります。それは坂を目の前にすると嬉々として楽しみながら挑んでいく事です。
そんな人に「ひょっとしてヒルクライム好き?」って聞くと、大抵「嫌いじゃない」とか「大好き」って言います。まず、山を好きになる事がヒルクライム攻略の近道かもしれませんね。
その他にも、山をスイスイ上る人は力の抜き方が上手いです。水泳でも「力めば力むほど進まない」と言われています。ヒルクライムも無駄に力を入れず、リラックスして体重を最大限使う事が重要なのです。
ペダルを踏む位置
ペダリングは基本的に平地と同じです。2~4時の位置でペダルに力を加えるのが理想ですが、脳からの命令が体に伝わるまでにはタイムラグがあるので、1~5時くらいでペダルに力を加える感覚がいいでしょう。
5時から下の位置は踏んでも推進力にはなりません。それどころか、ペダルの回転にブレーキをかける方向に力が加わるのでしっかり力を抜きましょう。結構難しいですけどね(笑 意識が大事です。後、ペダルが真円を描く感覚で足を回しましょう。
引き足は無理に脚の力で引き付ける必要はありません。右足が引き足の時は左足がペダルを踏み込んでいます。踏み込んでいる足の負担にならないよう、引き足はペダルに体重をかけない程度で引きます。意識としては、足裏をペダルから1~5mm浮かせる感覚です。(関連記事:知っておきたいペダリングの基本)
体重を使ってペダルを回す
ペダリングの次はヒルクライムのフォームについてです。平坦と上りではフォームを変えるべきなのでしょうか?結論から言えば、坂道では自分の体重を効果的に使えるフォームに変えるべきです。ただ、自分の体重を使う感覚はわかりづらいかもしれませんね。
そこで、感覚を理解するには、立ってから右脚を前に出し、ペダルを踏む感じで膝を曲げてみてください。(角度は約110度)その状態で上半身を後ろに倒すと、左脚に重心がかかりペダルを踏む右脚には体重が乗りません。かといって上半身を前に倒しすぎると、ペダルだけじゃなくハンドルにも体重が乗ってしまって無駄です。
平坦と同じフォームで坂道を上ると、前輪が高くなるので上半身は後ろに倒れて重心も後ろになります。そこで、平坦と同じ重心になるよう、サドルに座る位置を少し前にして、やや前傾姿勢にしてみましょう。
ただし前に座りすぎると、重心が前に行き過ぎてハンドルにも体重がかかってしまいます。座る位置をどの程度変えれば効果的なのかは、いろいろ試しながら調整します。ハンドルにはほとんど重心がかからない最適なフォームを見つけてください。
ヒルクライムでのダンシング
ヒルクライムでのダンシングには、体重を使って上る「休むダンシング」と、脚も使ってペダルを回す「攻めるダンシング」があります。今回は休むダンシングについて書きます。休むダンシングを効果的に使うと、心拍と脚の筋肉を同時に休める事ができます。
やり方は全身リラックスして体重を最大限踏み込みのペダルに乗せるだけです。引き足には体重を乗せいないように12時の位置から交互にポンポンと体重を乗せ換えていくイメージです。その時に、ハンドルには手を添えるだけにして、体重は全部ペダルに乗せましょう。
また、ダンシングの基本は腰を高い位置に保って体の軸をブラさないようにロードバイクを左右に振ります。後、シッティングからダンシングに移る直前にはギアを1~3枚重くするといいです。そして、シッティングに戻ったらまたギアを軽くします。(関連記事:効率よく速く走る!ロードバイクのダンシング)
楽に上る呼吸法
ヒルクライムでペースを上げ下げすると非常に疲れますので、できるだけペースは一定に保ちます。そして、呼吸も一定の感じで上った方が楽に速く走れるでしょう。
プロでもゼェゼェ呼吸する強度でヒルクライムに挑めば10~15分しか持ちません。しかし、ハァハァ呼吸する強度だと1時間は持続できます。坂の距離ど斜度に合わせてハァハァかそれより楽な呼吸で走った方が結果的にタイムも良くなります。
これはヒルクライムに限らず、平地でもゼェゼェ呼吸はNGです。また、トレーニングでもゼェゼェの強度より、ハァハァの強度で距離を伸ばした方が強くなれます。たまーに、信号待ちでゼェゼェしている人がいますが、そんなトレーニング方法はあまり効果がありません。(関連記事:誰でも簡単にすぐできる!ロードバイクで速く走れる呼吸法とは?)
その他の細かい対策
細かいヒルクライム対策について書きます。小さな事でも積み上げると大きくなりますよね。
体重とロードバイク軽量化
体重が重いとヒルクライムは非常に不利です。上りが得な人は小さくて痩せている人が多いですよね。ロードバイクの重量については軽ければ有利ですが、大体6.8~9kgの範囲なので差は最大でも2.2kg程度です。
高いお金出して軽量化してもあまり変わらないかもしれませんね。それよりちょっと減量して体重を3kg落とす方が簡単です。
効果的なケイデンス
ケイデンスはレベルによりますが、速い人で90~100回転。初心者や上りが苦手な人であれば70~80回転がいいでしょう。
シフトチェンジのタイミング
シフトチェンジは坂の斜度に合わせて細かく調整した方がいいです。常に一定のケイデンスを維持できるように調整します。また、ダンシング時はギアを1~3枚重くしましょう。
ドリンクは忘れずに
山に上るとコンビニがなかったりしますので、ドリンクと携帯食はちゃんと持っていきましょう。また、急激な気温変化や突然の雨といった事もあります。ウインドブレーカーなども準備しておいた方がいいかもしれませんね。