自転車のホイール交換!シマノ・カンパ・フルクラムの違いを比較

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最終更新日: 2017.09.7

自転車のホイール交換!シマノ・カンパ・フルクラムの違いを比較

ロードバイクはホイールを高性能なものに交換すれば走りが軽くなります。もしホイール交換を考えるならば、数多くあるメーカーの中でも購入しやすいおすすめのメーカーは、シマノ、カンパニョーロ、フルクラムです。

そこで今回は、この3つのメーカーの特徴の違いをまとめます。また、特に人気があり購入しやすい、5万円前後の高性能ホイールをそれぞれのメーカーからピックアップして性能を比較します。

比較するホイールは、シマノの「WH-RS500」、カンパニョーロ の「ゾンダ/ZONDA」、フルクラムの「レーシング3/RACING3」です。ホイール選びの参考にしてください。

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シマノの特徴とおすすめホイール

コンポーネントで世界のトップシェアを誇るシマノのホイールは、日本製らしく精度と耐久性が高く、全体的なバランスがいい優等生的な性能を持っています。

カンパやフルクラムと比べると、同クラスのモデルでもシマノのホイールは重量は若干重くなっています。しかし、ハブ内部の回転力や耐久性を高めてあるが故の重量増なので、走りに影響するリム重量は他と大体同じくらいです。なので記載されている総重量の差はそこまで気にしなくていいでしょう。

逆にハブ内部の耐久性と回転力を高めることでスムーズな走行が可能となり、走りは軽く滑らかになります。難点といえば、地味でパッとしないデザインでしょうか。よく言えばどんなロードバイクにも合わせやすいとも言えますが・・(笑

価格もカンパやフルクラムに比べれば低めに設定されているので、初心者の人は特にこだわりがなければ、予算に合わせてシマノのホイールの中から自分に合ったものを選ぶといいでしょう。

2017年現在、世界最強のオールラウンダーであるクリスフルームが所属するチームスカイが「シマノ デュラエース」を使用しているのを始め、近年のプロチームの多くがシマノのホイールを装備して実績を残しているので信頼できます。

ちなみに8万~15万円くらいのロードバイクに初期装備されている「シマノ R500シリーズ」は、鉄下駄ホイールとも呼ばれ重量は前後で2000gを超えています。

もしこの鉄下駄ホイールが愛車に装備されているならば、後で紹介する5万円前後のホイールに交換すれば、体感できるほど走りが変わりますよ。

シマノのおすすめホイール WH-RS500

2,000g前後の鉄下駄ホイールからホイール交換するのであれば、大体5万円前後のホイールであれば効果を実感できます。また、この価格帯は性能と価格のバランスがいいので、最も人気があり購入する人も多いです。なので5万円前後のおすすめホイールを各メーカーごとに紹介しますね。

まず、シマノからおすすめするのは、2017年8月から販売された「WH-RS500」です。旧モデルのWH-6800は、コンポーネントでいえばアルテグラと同程度のグレードで、その性能を引き継いだのがWH-RS500です。

軽量でハブの回転力など基本的な性能が高いのはもちろんですが、クリンチャー以外にチューブレスタイヤを装着でき、タイヤ幅も23C~25Cに対応しています。用途に合わせてさまざまなタイプのタイヤを付け替えできるのはポイントです。

シマノらしくとにかく耐久性が高いので、細かい性能うんぬんより長期間使い倒したい人にはWH-RS500がおすすめです。

【スペック】

重量:1,649g(F705g、R944g)
リム幅:20.8mm
リム高:24mm
リム素材:アルミ
スポーク本数:F16本/R20本
対応タイヤ:クリンチャー/チューブレス

参考販売価格:¥4.1000(Amazon)

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シマノのホイール WH-RS500

シマノ WH-RS500

カンパの特徴とおすすめホイール

シマノと同じくコンポーネントでも有名なイタリアのメーカーです。エントリークラスのコンポーネントやホイールはシマノと同じくらいの価格ですが、上位グレードになるとシマノの2倍くらいに価格が高くなるので、高級感がハンパないです。

また、イタリアのメーカーらしく尖ったデザインが特徴で、カンパのホイールに交換すると愛車の雰囲気が一気に派手でカッコよくなります(笑 後、リヤのスポーク組が独特で3本ずつ束ねた「G3パターン」という形を採用しています。この形を採用しているのはカンパとフルクラムだけになります。

このG3パターンのまとまっている3本のスポークは、右スポーク2本に対して左スポーク1本で組む左右非対称とすることで、スポークテンションを均一に保っています。そして、G3パターンにはスポークが巻き込む空気抵抗を最小限に抑えるメリットがあります。スポークが巻き込む空気抵抗はホイールを選ぶうえで重要な要素なのでその効果はバカにできません。

カンパニョーロのホイールに採用されているG3パターン

カンパのホイールに採用されているG3パターン

もしG3パターンにデメリットがあるとすれば、振れが出た場合、振れ取りが難しいことです。がんばってもなかなか完璧に調整できません。ただ、カンパのホイールは耐久性、強度とも十分にあります。そんなに簡単には、振れが出ることはないので安心してください。

その他の特徴としては、ハブのラチェット音が大きいということですね。シマノのホイールは走行中、ペダルを止めてホイールを空回ししても音はしません。しかし、カンパのホイールはジャーーーーっと派手な音がします。個人的にこの音は好きです。

また、ハイグレードモデルになるとハブ内部のベアリングがセラミック素材でできた回転性能の高いホイールを選ぶことができます。このセラミック化されたハブのことを「CULT(カルト)」と呼びます。後、最近のカンパのホイールは、25Cのタイヤを装着するのに理想的なワイドリムを採用したモデルが多いです。

購入するときの注意点として、フリーボディのシマノ用とカンパ用は間違えないように確認しましょう。変速機がシマノならフリーボディもシマノ用を、変速機がカンパならカンパ用フリーボディを選びます。

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ワイドリムとナローリム!ホイールリム幅とタイヤ幅の適切な範囲は?

カンパのおすすめホイール ZONDA C17

5万円前後の価格帯でホイールを選ぼうとしたら必ず候補に挙がるのがカンパのZONDA(ゾンダ)です。2016年に新しくリニューアルされて、ハブはプラズマ電解酸化処理されたアルミ製フリーボディに進化しました。

もちろん、カンパニョーロ特有のG3パターン採用でスポークの空気抵抗を軽減し、耐久性とパワーを地面に伝える剛性を両立しています。

また、リムの幅が広い22.5mmと広いので、装着できるタイヤサイズが25C以上となっています。最近流行の25Cタイヤを履いて能力を最大限に発揮したいなら、この価格帯ではワイドリムのZONDA C17一択でしょう。

後、うれしいのはリムテープが不要なので、パンクの修理がしやすく、リムの重量を軽量化できるメリットがあります。派手なデザインとG3スポーク、そして高速性能を求めるならばZONDA C17がおすすめです。

【スペック】

重量:1,596g
リム幅:22.5mm(内幅17mm)
リム高:F27mm/R30mm
リム素材:アルミ
スポーク本数:F16本/R21本
対応タイヤ:クリンチャー

参考販売価格:¥4.1000(Wiggle)

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カンパニョーロのおすすめホイール「ZONDA」

カンパニョーロ ZONDA

フルクラムの特徴とおすすめホイール

ご存知の方も多いと思いますが、フルクラムとカンパニョーロは母体は同じです。もともとカンパニョーロが、シマノのコンポーネントを使っているユーザーにも買ってほしいと立ち上げたブランドがフルクラムです。

以前はカンパと性能がほとんど変わらず、デザインが若干シンプルでシャープなだけだったんですが、最近はリム幅を細いまま(ナローリム)にして、基本23Cタイヤを装着する仕様のホイールを製作しています。つまり23Cタイヤを履きたければフルクラム、25Cタイヤならカンパといった感じに分けています。

また、カンパに採用されているG3パターンがフルクラムのリヤホイールにも採用されており、違いとしては3本のまとまったスポークの間隔がカンパより少し広くなっています。これによりフルクラムの方が乗り心地が硬く、剛性が高いよりレーシーな仕様になっています。後、リム幅が狭い分だけカンパよりもリム重量がわずかに軽くなっています。

 

フルクラムのおすすめホイール RACING3

フルクラムのレーシングシリーズの中間に位置するモデルです。ZONDAより前後で41g軽く、リム幅が20.5mmなので25Cのタイヤも装着できますがベストは23となっています。

この記事で紹介した3つのホイールの中では一番高価(約¥55,000)ですが、最軽量で最も高速性能には優れています。デザインは、カンパに比べてややおとなしめなので、シンプルなロードバイクに仕上げたい人にはいいかもしれませんね。

もちろん、ZONDAと同じくリムテープは不要です。より軽いホイールが欲しくて、23Cタイヤをメインに使うのであればRACING3がおすすめです。

【スペック】

重量:1,555g(F670g、R885g)
リム幅:20.5mm
リム高:F25mm/R30mm
リム素材:アルミ
スポーク本数:F16本/R21本
対応タイヤ:クリンチャー

参考販売価格:¥5.5000(Amazon)

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フルクラムのおすすめホイール「RACING3」

フルクラム RACING3

3つのおすすめホイール比較表

これまでに紹介したおすすめホイールの比較一覧表です。

WH-RS500ZONDARACING3
ペア重量1649g1596g1555g
F重量705g-670g
R重量944g-885g
リム幅20.8mm22.5mm20.5mm
タイヤ幅23C~25C25C~28C23C~25C
リム高24mmF27/R30mmF25/R30mm
リム素材アルミアルミアルミ
スポーク数F16/R20F16/R21F16/R21
対応タイヤクリンチャー
チューブレス
クリンチャークリンチャー
参考価格¥4.1000¥4.1000¥5.5000

まとめ

  • シマノのホイールは、コストと性能のバンランスがよく耐久性が高い。
  • カンパのホイールは、高価だがG3パターンやワイドリムなど独自の性能を持っている。
  • フルクラムのホイールは、カンパとほぼ同じだが、リム幅が狭く乗り心地が硬いが軽量。

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