ロードバイク・クロスバイクの購入を考えている初心者の人が、まず考えるのはフレームのメーカー選びだと思います。その中でも知名度が高く、だれでも聞いたことがあるビアンキは気になる存在ではないでしょうか。
そこで、ビアンキのイメージ、性能と特徴、リリースされている機種の違いをまとめます。
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ビアンキ/Bianchiのイメージ
自転車に詳しくない一般の人でも、「ビアンキだけは知ってる」というくらい知名度が高いイタリアのメーカーです。その歴史は古く、創業は100年以上前の1988年となってます。
知名度が高い要因は、1990年代に「海賊」や「走る哲学者」といったニックネームで親しまれた悲運のロードレーサー「マルコ・パンターニ」が、ビアンキに乗って数々のタイトルを獲得したのが始まりです。パンターニはスキンヘッドにあごひげを蓄えたイタリア人クライマーで、ジロ・デ・イタリアやツール・ド・フランスで総合優勝や山岳賞を獲得した伝説の選手でした。
しかし、数々のドーピング疑惑が発覚し、パンターニの人生は狂い始めます。当時のドーピング検査は規定があいまいで、おそらくパンターニ自身は規定にのっとったつもりでやってた行為がドーピングと診断されたとの事情もあります。後に精神を病んでしまったパンターニは、ヘロインの過剰摂取で孤独死してしまいました・・。(2014年に殺人だった疑いがあるとして彼の死についての再捜査が決定)
ただ、そのロードレースにかけるピュアな気持ちが真っ直ぐ伝わってくる選手だったので、その人生のはかなさを含めてイタリアでは現在も絶大な人気があります。今でもグランツールでパンターニのフラッグや横断幕を度々見かけるほどです。
そんなパンターニが乗っていたので、当時の日本でもビアンキ人気にも火がついて現在に至るというわけです。今では東京に専門ショップ「Bianchi Concept Store」もありますし、ジャイアントやメリダと並んで敷居の低い自転車量販店でも購入できるのも知名度が高い一因ですね。
また、ある程度自転車に詳しい人であれば、カッコよくて人気が高いフレームメーカーはビアンキ以外に数多くあるのを知っていますが、そういったメーカーは敷居の高い専門店のみでの取り扱いとなるので、一般の知名度が低いんだと思います。
後、ビアンキは今でも世界トップレベルのプロチームをサポートし、機材提供を行い、数々のタイトルを獲得しています。実力も超一流なのは間違いありません。
性能と特徴
ビアンキの性能と特徴をいくつかまとめました。
有名なカラー「チェレステ」
ビアンキには伝統的なカラー「チェレステ」があります。緑と青の中間のような鮮やかな空色で、街中でこの色のロードバイクが走っていればすぐにビアンキだとわかります。ほとんどのモデルにこのチェレステが入っているくらい、ビアンキとチェレステは切っても切れない関係です。
また、美しいカラーリングもあってか、ビアンキはさわやかなデザイン感があります。バリバリのレース用バイクでも、ビアンキであれば私服で街乗りしてもなぜか違和感がありません。どっちかといえば、本格的なロードバイクというより、ファッショナブルでカジュアルな雰囲気ですね。
初心者向けのモデルが多い
最近のメーカーの方針として、初心者を中心としたライト層を意識しているようです。なので、価格設定が低めのエントリー~ミドルグレードのラインナップが充実しています。これは、初心者の人にはポイント高いですね。
カウンターヴェイル
高級フレームには、ビアンキ独自の振動除去素材「カウンターヴェイル」を使用しています。カウンターヴェイルは、NASAとも絡みがある、マテリアル・サイエンス社との共同開発により生み出された、独自のカーボン繊維構造と粘弾性により優れた振動除去性能を持った特殊素材で、路面からの微振動を大幅にカットするので乗り心地が良いです。
長い歴史で培われた技術
他のフレームメーカーにみられる、奇抜な独自技術や、オリジナル加工などは多くありませんが、100年以上の歴史の中で培われた技術は安定した性能を誇ります。地味ですが、耐久性、乗り心地、空力性能、軽量性、軽量性、剛性と各グレードの合わせてバランスよく仕上がっています。
完成車で3大コンポーネントを選択可能
100万円前後のレース向けロードバイクの完成車は、「シマノ」「カンパニョーロ」「スラム」と3大コンポーネントから装備を選べます。もちろんどのコンポーネントにするか、もしくはどのグレードにするかで価格は全然違いますが、自分好みのコンポーネントを組み合わせ出来るのは本格志向のライダーにとってはメリットがありますね。
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リリースされている機種の違い
ビアンキがリリースしている機種の違いと特徴をまとめました。
スペシャリッシマ シリーズ/SPECIALISSIMA
ビアンキの最高峰オールラウンドモデルです。もちろんガチガチのレース使用で、シマノ、カンパニョーロ、スラムいずれかのの最高級グレードコンポーネントが搭載されています。
フレーム重量780という軽量性やキツめのジオメトリー、カーボン素材など、とにかく速く走るために作られたモデルなので、剛性が高く初心者には扱いが難しいかもしれません。ホイールもカンパニョーロのBora Ultraが標準装備されていて隙がありません。価格がかなりぶっ飛んでいますが、それだけの性能は秘めています。
参考価格(定価税抜)
- 125万円~195万円
- 50万円(フレームのみ)
オルトレ XR シリーズ/OLTRE XR
オルトレXRは、空力性能重視のエアロタイプのカーボンフレームを搭載したフラッグシップモデルです。エアロタイプということで、オールラウンドのスペシャリッシマよりも重量は若干重くなりますが、平地での高速巡行はトップクラスです。こちらも、3大コンポーネントの最高級グレードが搭載されています。本格使用のレース用ロードバイクですね。
また、フレームにビアンキ独自の振動除去素材「カウンターヴェイル」を使用しています。
参考価格(定価税抜)
- 78万円~188万円
- 41万円(フレームのみ)
インフィニート シリーズ/INFINITO
ビアンキのミドルグレードに位置するのがインフィニートシリーズです。コンポーネントはシマノのアルテグラか105を選択できます。ミドルグレードとはいえスペックはかなり高く、本格的なロードレースでも全然使えるレベルです。
また、独自素材の「カウンターヴェイル」も使われており、振動吸収性も高いレベルでまとまっています。デザイン的にもアクセントが聞いてて、個人的に好みです。
参考価格(定価税抜)
- 38万円~45万円
- 30万円~36万円(フレームのみ)
インテンソ シリーズ/INTENSO
普通に趣味でロードバイクを楽しみたい人は、インテンソが一番しっくりくると思います。お値段も18万円~27万円とまったく手が出せない価格ではないですし、カーボンフレームで軽量性と乗り心地は抜群です。
コンポーネントはシマノの105かティアグラを選択できるので、耐久面でも長く乗れますし変速性能も高いです。ちょっとしたアマチュアレースにも使えますし、ロングライドなどの趣味で楽しむにも十分な性能です。
参考価格(定価税抜)
18万円~27万円
インプルーソ シリーズ/IMPULSO
アルミフレームを採用した完成車がインプルーソです。アルミにしてはなかなか高価な部類に入りますが、脚に自信のある体力自慢であれば、アルミ素材特有のシャキっとした軽快な走りを活かせるはずです。
後、アルミはカーボンより扱いが簡単ですし、落車してもそこまでのダメージを負いません。コンポーネントはシマノの105かティアグラを選べます。
参考価格(定価税抜)
15万円~17万円
ヴィアニローネ シリーズ/VIA NIRONE
ビアンキの中では最も扱いやすいエントリーグレードのモデルです。もちろんフレーム素材はアルミで、コンポーネントはシマノのティアグラ、ソラ、クラリスから選べます。
個人的には少し頑張ってティアグラをおすすめします。最新のティアグラは10段変速で見た目もカッコいいですし、操作性も滑らかです。これに最強の定番ホイール「ZONDA/ゾンダ」を搭載すれば、かなり走れるレーシーなロードバイクが出来上がります。(関連記事:10万円以下のおすすめホイール!)
参考価格(定価税抜)
10万円~14万円
クラシックスタイル ロードバイク
先ほど紹介したパンターニが活躍していた時代には、まだアルミやカーボンのフレームは一般的ではなく、トッププロも細いクロモリフレームを使っていました。
そして、パンターにを彷彿とさせるビアンキのクラシカルなロードバイクはいまだに根強い人気があります。その証拠に、他のメーカーではありえないほどクロモリフレームの機種数が多いです。
現在は「L’EROICA」「SELVINO」「ANCORA」「VIA BRERA」と4モデルがリリースされています。
参考価格(定価税抜)
7万円~48万円
クロスバイク
ビアンキのクロスバイクは、ママチャリも扱うような量販店でもよく見かけます。一流ブランドとしてクロスバイクといえどかなりの走行性能を持っているのが特徴です。
後、ビアンキのデザイン性と相まって、より街乗りに似合いそうなカジュアル感があるのもいいですね。通勤通学や街乗り、趣味のサイクリングに最適です。後、クロスバイクの他にもミニベロやママチャリなど気軽に乗れる自転車が多数あります。
参考価格(定価税抜)
7万円~17万円
まとめ
ビアンキのクロスバイク、ロードバイクに乗っている人と一緒に走ると、なぜかすれ違う人々の視線が違います。自分はキャニオンに乗っていますが、一般の人の知名度はほとんどありません。しかし、ビアンキは知名度が高いので、多くの人から「すげー!ビアンキいいな~」みたいな視線が投げかけられるのです。
さっそうと走ってちょっと注目を浴びたいライダーにビアンキはピッタリですね。ロゴなんかも含めてデザイン、カラーもカッコいいですよ!