3月から少しずつ暖かくなりロードレースもボチボチ始まりますね。まずは3/5から「パリ~ニース」が始まり、4月には「パリ~ルーベ」「フレッシュ・ワロンヌ」と続きます。ロードレースファンとしてはワクワクします。
そこで今回は、その気持ちを高ぶらせる為にロードエース関連のドキュメンタリー映画6作品を紹介します。パンターニ、アームストロング、シュレック兄弟、グレッグ・レモン、ベルナール・イノーといった往年の名選手がたくさん見れますよ~。
【目次】
パンターニ ~海賊と呼ばれたサイクリスト~
伝説のスーパークライマー、マルコ・パンターニの激動の人生を綴ったドキュメンタリー映画です。最強のヒルクライマーでありながら、ドーピングスキャンダルに翻弄され、34歳の若さで不運の死を遂げたパンターニの真実に迫ります。
1998年にイタリアのルーキー、パンターニはツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリアの2冠という快挙を成し遂げました。2017年2月現在、この偉業を達成した者は出てきていなません・・。スゴイですよね。パンターニは紛れもなく英雄でした。
しかしその後、ドーピングスキャンダルが発覚し、英雄は絶望の中に突き落とされました。孤高の天才クライマーはそれから6年のち、コカインにおぼれてイタリアの安宿の一室で、一人きりで寂しい死を迎えてしまいました。多くのイタリア人はパンターニを愛していたのですごく悲しみました。パンターニは今でもイタリアで圧倒的な人気があり、英雄として称えられています。
そこまでドーピングに関して規則がはっきりしなかった時代に、突然に「それはドーピング違反だよ」って感じに決めつけられたのは個人的にかわいそうだと思います(泣 性格も繊細だったのかもしれないと感じました。
ランス・アームストロング「疑惑のチャンピオン」
ロードレース&ドーピングと言ったらこの人でしょう(笑 癌という大病を患いながら克服し、カムバックしてからツール・ド・フランスを1999年から2005年まで7連覇する偉業を達成しています。
しかし、ドーピングの容疑をかけられ、長期の審議の結果2012年に全ての優勝をはく奪されてしまいました・・。現在、優勝はく奪となった7年間は「優勝者無し」となってます。この実話もとに作られたドキュメンタリー映画ですね。
この事件以降ロードレースに関するドーピング検査は厳しく管理されるようになり、今の現役選手は決められた時間に居場所を報告し、抜き打ちで検査が行われています。それは深夜だろうが何だろうが関係ないんだとか・・。シビアですよね~。
また、 この映画はアルプスの絶景地での大規模なロケーション撮影と、プロのサイクリストを招聘したレース・シーンには圧倒的な臨場感がみなぎる仕上がりとなっています。そして、当時のニュース映像を挿入するなど、壮大なスケール感と興奮とを体感させる趣向が満載され、ファンならずともサイクルロードレースの迫力を満喫できる快作となってます。
レーサー/光と影
ロードレース界の女王だった、ジュヌビエーブ・ジーンソの半生を実話に基づいて描いたヒューマンサスペンス映画です。カナダで開催された大会で弱冠17歳にして女子ジュニア部門で優勝。その後、世界各国の大会で数々の好成績を残したロードレース界の女王ジュヌビエーブ・ジーンソン。
その実力で一躍有名になった女子プロロードレーサーが、スポンサーや周囲の過度な期待がプレッシャーとなり、ドーピング検査結果をもみけし続けた結果、ライセンス剥奪の危機へと追いつめられて行きます・・。 栄光から一転、世界アンチ・ドーピング機構にマークされた天才アスリートの壮絶な人生を描きます。ラストは衝撃の展開に!
チェイシング・レジェンド
2009年の世界最高レース「ツール・ド・フランス」で、当時の最強スプリンター(2017年現在でも十分強いですが・・)「マーク・カヴェンディッシュ」を擁するチーム コロンビア・HTCの活躍を描いたドキュメンタリー映画です。このチーム・HTCは2009年から2011年に解散するまで最強のスプリントチームとしてグランツールを席巻しました。
いつも最後はカヴェンディッシュが最終スプリントでゴールを狙うのですが、そこに至るまでのチーム力が素晴らしく、世界最速のTTスペシャリストで機関車の異名をとる「トニー・マルティン」、スプリンターで自らもゴールを狙えるがアシストに徹する「マーク・レンショー」、クラシックのスペシャリスト「ジョージ・ヒンカピー」、オールラウンダーの「キム・キルシェ」など多くの実力者を揃え、ゴールまで残り3km地点からの完璧な連携と美しいトレインで世界を魅了しました。
『チェイシング・レジェンド』では、2008~2009シーズンに年間最多勝利を達成したチームの内面に迫り、闘いを挑む選手たちとチームスタッフの姿を追っています。また、往年の名選手エディ・メルクスやベテラン選手のイェンス・フォイクトらも登場し、ツール・ド・フランスの歴史やそこに向けられる情熱、そして真の勇者たちの闘いが語られます。
~The REAL~ 偉大なるツール・ド・フランス
ヨーロッパで絶大な人気を誇った、80年代のロードレース界で頂点にいたフランスのベルナール・イノー。グランツールを全て制するだけでなく総合優勝10回と圧倒的な実績をあげています
。平地、山岳、タイムトライアルと、いずれもずば抜けた能力を持っていて、歴代NO.1のオールラウンダーという声も多いです。さらに頭もよく戦略家でもあり、集団で膠着状態が続いた場合には、自らアタックをかけてライバルたちを潰しに行く攻撃性もありました。
そんなイノーが席巻していたロードレース界にアメリカから挑戦しに来たグレッグ・レモン。彼の才能に目をつけた王者イノーはプロチームに彼を抜擢しました。いつしかグレッグ・レモンは膝の故障で全盛期を過ぎたイノー以上の走りを見せるようになり、1986年のツール・ド・フランスはイノーに代わりレモンがエースとしてプランは立てられました。
しかし・・そんなレモンの前に、なんと同じチームメイトのイノーが立ちはだかったのです。結果は・・。見てください(笑 この映画は、2017年2月現在、スカパーのJスポーツでも放送されています。
ロード・アップヒル
2017年2月現在、スカパーのJスポーツで放送中のドキュメンタリー映画です。「シュレッキーズ」の愛称で知られる世界的ロードレーサー、アンディとフランクのシュレック兄弟を取り上げています。二人は細身のクライマーでツール・ド・フランスをはじめ、数々の大きな大会で成績を残しています。
得意としたのは、兄弟という強みを生かした連携技で、強敵をコンビで揺さぶり、ふるい落としていく戦術ですね。何も言わなくても意志が通じ合い、絶妙なタイミングで交互にアタックする戦術は見ていて面白かったです。
なので、チームを移籍する時も、大体2人一緒だったと記憶してます。この映画では、2011年のツール・ド・フランスやトレーニングに挑む2人の姿を追いながら、人間関係やモチベーション、信念といったチームの基盤となる部分にまで踏み込んでいます。
出演:アンディ・シュレック 、フランク・シュレック、ファビアン・カンチェラーラ、アルベルト・コンタドール、カデル・エヴァンスほか
製作国: ルクセンブルク
製作年: 2011年