実際にロードバイクで軽い事故に遭ってしまった経験から、損をしない慰謝料の請求方法やポイントなどをまとめます。
どんなに気を付けていても相手が悪ければ事故は起こってしまいます。保険屋の言いなりになって損をしない為にも事前に知識を身に着けておきましょう!
もし事故を起こしてしまったら
事故が起こってしまったら、まずは急いで警察を呼ぶのが鉄則です。どんなささいな事故でも誰かが怪我したり自転車に傷が入った場合は必ず呼びます。
たま~に相手からその場で示談の話をされることもありますが断りましょう。警察を呼ばないと事故の証拠は残りませんし、相手に逃げられたら終わりです。
それと警察にはできるだけ細かい状況と、ケガや痛み、破損した物を全て伝えます。ヘルメットやアイウェア、自転車の傷も要チェックです。そして、できれば相手の保険屋さんも呼んでおきたいですね。
その後はケガによって入院、もしくは通院します。同時に保険屋さんに、まず破損した自転車やアクセサリーの請求をしましょう。通常は手続きが終わればすぐに支払われます。金額に納得ができなければ弁護士に相談しましょう。
通院が終わったならば弁護士を立てて慰謝料の請求をします。後で詳しく書きますが、弁護士を使うと使わないでは慰謝料の差が大きいです。弁護士を使った方が手続きが簡単になり全て処理してくれるので安心です。
最後に無事、慰謝料を受け取ったらならば終了です。ちゃんとやれば数百万から数十万単位の慰謝料をもらえて、ハイスペックな高級自転車を購入することも可能ですよ~。
事故の過失割合
事故の過失割合とは、相手と自分のどちらに責任があるのかの割合です。この過失割合によって、支払われる金額が大きく変わってきます。例えば過失割合「4(自分)対6(相手)」であれば、自転車の修理費、通院費、慰謝料など全ての費用が4割自己負担になります。つまり、全ての費用の6割しか支払ってもらえないのです。
こちらが自転車で相手が車の場合、こちらが交通ルールをしっかり守っていれば「2対8」か「1対9」くらいになります。最近はどんなに相手が悪くても「0対10」とはなかなかならないようです。自分も悔しい思いをしましたが、しょうがないですね。「1対9」であれば承諾して話を進めましょう。
ただ、最初に保険屋はこちらに不利な割合を提示してくることがあります。そんな時も弁護士に任せれば軽く争ってくれます(笑 そんなに大事ではないので過失割合に納得できなければ頼んでもいいでしょう。
スポーツ自転車の査定額
高価なロードバイクやクロスバイク、またはマウンテンバイクが破損したらショックですよね・・。一応修理代もしくは新しく買い替える費用は相手からもらえますが、査定額はかなり低くなります。
自分の場合、約50万円くらいで組み立てた自転車が完全に壊れて買い換えとなったのですが、査定後に支払われたのは過失割合1割を引いて約35万円でした(ショック)。まだ、買ってから1年ほどしか乗ってなかったのにです・・。
そこで、できるだけ高額に査定してもらえるように、普段お世話になっている自転車店に修理費用の見積もりを作ってもらいましょう。分かっている自転車店であれば結構高額な修理見積もりを出してくれます(笑
一番重要な慰謝料
慰謝料ですが、これには「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」の3つの基準がありそれぞれもらえる金額が違います。そして弁護士を立てないと保険屋が勝手に「自賠責基準」「任意保険基準」で計算するので損してしまうのです。その金額差は2~4倍も違ってくる場合もあります。
あまりにも重すぎるので死亡した場合の慰謝料は省きますね。それ以外には「後遺障害慰謝料」「入通院慰謝料」がありそれぞれ算出方法が違います。
まずは「後遺障害慰謝料」ですが、文字通り何か障害が残ってしまった場合の慰謝料です。障害の重さで1級~14級までランクがあり基準は以下の通りとなります。
【後遺症等級と保険別 適応慰謝料】
等級 | 自賠責保険基準 | 任意保険基準 | 弁護士基準 |
1級 | 1100万円 | 1300万円 | 2800万円 |
2級 | 958万円 | 1120万円 | 2400万円 |
3級 | 829万円 | 950万円 | 2000万円 |
4級 | 712万円 | 800万円 | 1700万円 |
5級 | 599万円 | 700万円 | 1440万円 |
6級 | 498万円 | 600万円 | 1220万円 |
7級 | 409万円 | 500万円 | 1030万円 |
8級 | 324万円 | 400万円 | 830万円 |
9級 | 255万円 | 300万円 | 670万円 |
10級 | 187万円 | 200万円 | 530万円 |
11級 | 135万円 | 150万円 | 400万円 |
12級 | 93万円 | 100万円 | 280万円 |
13級 | 57万円 | 60万円 | 180万円 |
14級 | 32万円 | 40万円 | 110万円 |
次に「入通院慰謝料」は入院や通院の手間と苦痛に対する慰謝料です。これも計算方法が決まっており、長く通院すればより多くの慰謝料がもらえるので、遠慮せずにしっかり完治するまで通院を続けましょう。「弁護士基準」の通院期間と金額は下の表を参考にしてください。(単位は万円です)
【入院通院期間と慰謝料の表(万円)】
- - | 入院 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 |
通院 | 53 | 101 | 145 | 184 | |
1月 | 28 | 77 | 122 | 162 | 199 |
2月 | 52 | 98 | 139 | 177 | 210 |
3月 | 73 | 115 | 154 | 188 | 218 |
4月 | 90 | 130 | 165 | 196 | 226 |
5月 | 105 | 141 | 173 | 204 | 233 |
6月 | 116 | 149 | 181 | 211 | 239 |
7月 | 124 | 157 | 188 | 217 | 244 |
8月 | 139 | 170 | 199 | 226 | 252 |
9月 | 139 | 170 | 199 | 226 | 252 |
10月 | 145 | 175 | 203 | 230 | 256 |
また、入院期間、通院期間の算出方法は
1:入院期間+通院期間
2:実通院日数(入院期間+通院期間の中で実際に病院に通った日数)×2
の2つの日数を計算して少ないほうを基準とします。つまり3カ月間通院しても3回しか病院に行ってないと「3日×2=6日」となり6日間しか通院していなことになります。慰謝料の事を考えると2日に1回は通院した方がいいですね。
入院通院費と休業損害
入院費や通院費も相手の保険屋さんが負担してくれます。(ただし過失割合の分だけ)保険屋さんによって全てが終わってから払ってくれたり、病院に直接払ってくれたりと違いがあります。
また、病院や事故の療養で仕事を休んだ場合は休業損害が出ます。弁護士基準の金額は「休業損害=1日当たりの基礎収入×休業日数」で算出した値になります。
とにかく弁護士に任せる
今までいろいろ書きましたが「過失割合」「自転車の修理費」「慰謝料」「入院通院費」「休業損害」などすべての補償で弁護士を通すと通さないとでは大きく違ってきます。必ず弁護士に依頼しましょう。
入っておきたい保険と特約
もちろん弁護士を立てた場合は「弁護士費用」発生します。しかし、自動車保険に付帯している「弁護士特約」に入っておくと、自転車で事故に遭った場合も無料でおかかえ弁護士を使えます。高い特約ではないのでぜひ加入しておきましょう。
その他、こちらが加害者になってしまう事故では、相手が大きな障害を負った場合は最高1億円近くの賠償金が必要となります。そういった事故に備えて「個人賠償責任保険」に入っておきましょう。
「個人賠償責任保険」は生命保険、医療保険、自動車保険、県民共済、au保険などに追加で付帯することができる保険です。月100円~200円くらいで家族全員が入れるのでぜひ入っておきましょう。最高5000万円~1億円まで補償してくれます。
まとめ
- 事故を起こしたら必ず警察に連絡する。
- 過失割合、自転車の修理費用や買い替え費用、慰謝料、休業補償、入院通院費を請求する弁護士に依頼する。
- 通院は2日に一回以上のペースですれば慰謝料を多くもらえる。
- 弁護士特約と個人賠償責任保険には入っておきましょう。