自転車ロードレースで世界トップレベルの選手や、注目の選手だけを特性・脚質ごとに紹介します。今回は、総合優勝を狙うオールラウンダーと山岳スペシャリストのクライマーをピックアップしました。
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オールラウンダー
ヒルクライムや平坦、TTなどコース設定を問わず弱点がないオールラウンダー。チームメイトのアシストを受けて主にステージレースで総合優勝を狙います。
世界最高のロードレース「ツール・ド・フランス」で、総合優勝の有力候補として挙げられる選手を選びました。
クリス・フルーム(チーム スカイ / イギリス)
ツール・ド・フランスを3度優勝している優勝候補ナンバーワンの現役最強オールラウンダーです。手足が長くヒョロッとした体形ながら登り、平地、TTを高いレベルでこなすので弱点が見当たらないですね。
特にヒルクライムが強く、ギヤを軽くして特殊な楕円形クランクを高速で回しながら自分のペースで淡々と走ります。ライバルからアタックで何度離されても、サイコンのデータを見ながら冷静にじわじわ自分のペースで追い詰める姿はマシンのようです。
アルベルト・コンタドール(ティンコフ / スペイン)
ツールを含め3大大会で何度も優勝している歴史に名を刻むレベルのオールラウンダーです。平地、TTもそこそこ速いですが、最も得意なヒルクライムで勝負するタイプですね。
そのヒルクライムでは、体を左右に振るような独特のフォームをしたダンシングを使ってスピードをグイグイ上げていきます。この人ほど多くダンシングを使う選手も珍しんじゃないでしょうか。
そして、勝負どころでは自らガンガンと仕掛ける攻めの走りでファンも多いです。年齢的にベテランになり、走力や体力もピークを越している感がありますがまだまだ強いです。
ヴィンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ / イタリア)
イタリアのメッシーナ出身なので、「メッシーナの鮫」の愛称で親しまれている人気オールラウンダーです。過去には3大大会を全て制した名選手でもあります。
特徴としては、どの選手より熱い走りで何度も自ら攻撃的なアタックを仕掛けていきます。どんな状況でもあきらめずに前を向いて食らいついていく姿はまさに鮫です。
個人的には一番好きな選手です。過去のジロ・デ・イタリアでは、皆がもう無理だろうと思った状況から最後の最後に奇跡の大逆転優勝を達成し、イタリア中がお祭り騒ぎになりました。
ファビオ・アル(アスタナ / イタリア)
まだ若いですが体形や走りがニーバリに似ていて、チームや出身国も同じという事もあり将来を期待されているオールラウンダーです。まだ、3大大会での優勝はありませんが、ステージ優勝やワンデーレースで何勝もしているので今後も目が離せませんね。
そして、プライベートは静かな人柄のようですが、走り方もニーバリに似て熱いです。まだ若いので、いずれはグランツールを獲得する選手となりそうです。
アレハンドロ・バルベルデ(モヴィスター / スペイン)
ベテランながら何でもこなすスペインの万能オールラウンダーです。2009年のブエルタでは総合優勝を獲得。世界的なステージレースでは上位の常連で、クラシックレースでも優勝できる実力があります。
また、フィジカル的にもタフで休憩期間を挟まずに多くのレースに出場しては結果を残しています。近年、大きな大会では同チームのキンタナをアシストする役目を任されますが、アシストをこなしつつキンタナに負けない結果を残します。
スティーヴン・クライスヴァイク(ロットNL / オランダ)
2016年のジロでブレイクしたオールラウンダー。これまで大きな大会では実績がなく、ジロでもノーマークでしたが途中で首位となり、2位との差3分をつけて総合優勝は間違いないと思われました。
しかし、19ステージで悲劇の落車を経験し、その後必死に立て直しましたが結局は総合4位でした。本当に途中まではフルーム顔負けの走りをしていただけに残念でしたね。まだ29歳という事で今後に期待です。
リッチー・ポート(BMC / オーストラリア)
2015年まで多くの選手を3大大会で優勝させてきた最強のアシストとして有名だったオールラウンダーです。2016年からは、「俺はエースになる!」と宣言しBMCに移籍。
ただ、2016年のここまでの成績は、主要大会で上位入賞はあるものの大きな成果は挙げられていません。大事な場面で弱さが見え隠れしている感じなので、メンタルの問題なのでしょうか。
クライマー
長くて傾斜が厳しい山岳を得意とするクライマー。グランツールでは主に山岳賞を狙いますが、圧倒的な登坂力で総合優勝を狙う選手もいます。
ナイロ・キンタナ(モヴィスター / コロンビア)
2014年のジロ優勝を皮切りに、3大大会で入賞しまくる現役NO.1クライマーです。小柄な体格の正統派クライマーですが、山岳賞は無視して毎回総合優勝に絡んできます。
キツい状況でも顔の表情をほとんど変えないので調子が全く読めませんが、山岳ステージではゴールした後にブッ倒れるほどの頑張り屋さんでもあります。まだ若いので今後もますます活躍するでしょう。
総合優勝を狙うにはTTがやや力不足なので、山岳ステージでライバルにどれほどタイム差をつけられるかがのカギですね。
エステバン・チャベス(オリカ / コロンビア)
2016年ブレイクしたコロンビア出身のクライマーです。まだ若く顔が童顔で笑ったらカワイイです(笑)。コロンビアの選手ってヒルクライム強いですねぇ。2016年のジロではノーマークながら表彰台に立つ活躍でした。
出身国がキンタナと同じで体格も非常に似ており、実力的にもクライマーながら総合優勝を狙える選手です。ただ、キンタナと同じくTTに若干不安があります。
ラファル・マイカ(ティンコフ / ポーランド)
2014年、2016年にツールで山岳賞を獲得した生粋のクライマーです。しかも、同チームのエースであるコンタドールをアシストしながらの山岳賞獲得なので圧巻ですね。1989年生まれとまだまだ若いので、今後も長く活躍しそうです。
キッツイ長い登りをニコニコとウィンクしながらステージ優勝してしまうお茶目さんです。クライマーにしては、そこそこガッチリした体形なのにパワーがあるんですかね。
ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ / スペイン)
小さな体形の純粋なクライマーであり、37歳のベテラン選手です。体重が軽いからなのか、キツくて急な坂であればあるほど力をは発揮する印象です。クライマーには珍しくロードバイクはエアロ系(空気抵抗が少ない平地用)を使用しています。日本でも人気がある選手の一人です。
おまけ|日本人選手
おまけで世界の大舞台で活躍する日本人選手を紹介します。
別府史之(トレック / 日本)
世界3大レースに何度も出場経験のある日本が誇るベテラン選手です。脚質はルーラーで、チームでは主にアシストを担当します。
若いころから日本国内では飛び抜けて速かったようですね。大きな大会では逃げを担当していくつか敢闘賞も獲得しています。現在はトレックに所属しているので、フレームメーカーのトレック販売店主催で一緒に走るイベントもあるようです。
新城幸也(ランプレ・メリダ / 日本)
こちらも3大大会を何度も完走している偉大な選手で、過去には敢闘賞も獲得してます。脚質はパンチャー。主にチームのアシストを担当しており逃げるのが得意。
スプリント前のポジション争いで、チームの先頭を引いて上がってくる姿がカッチョいいです。ロードレースを始めたのは高校卒業後らしいですが才能あったんですかね。すごいです。
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